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舞茸

舞茸について。

 

「どっちが美味しい? そうだねえ。やっぱりこの白い茎の部分の方が舞茸らしくて美味しいと思うね。葉っぱの部分はあんまりね。」
「茎って言うんですね。ここは葉っぱ!」
「そう、まあ葉っぱじゃないんだけど、我々はそう呼ぶね。白い部分の方がコリコリした食感がね、あるよね。ただ、重さも出るから。ここだけ大きくすることもできるんだけど、サイズ感が小さくなるし、この葉っぱと茎のバランスがあって、舞茸らしさが出るから、そういう風になるように管理してる。」

白い部分のことを”茎”と呼び、茶色の部分を”葉”と呼ぶ。
それも興味深かったが、茎と葉の割合に気を付けて栽培し、そうなるように管理しているというからまた面白い。
確かに白い部分ばかりだと、舞茸っぽくない。

使いやすさを優先して、りょくけんでは、100gにカットしたものを販売しているが、
大ぶりに育った、元の大きさの舞茸を見ると、そちらの方が本当に美味しそうに見える。

作業する方がいらして、根元からパッパッとカットしていく。

ビニールの中に詰めたオガクズに、十分に菌が充満したのを見計らって、上部前方の部分の口の部分をカットすると、空気がビニール袋の中に入り、一気に芽を吹きだす。


充満させるのに45日かかるのに、噴き出して20㎝直径の大きさになるのに、10日ほどでなるのは驚きだ。

 

きのこはほぼすべからく空気、酸素が必要だ。
保温性の高い室内で育てるけれど、定期的な換気で、強制的に新しい空気を外から取り入れている。
そのため、外気の気温にとても左右される。

「しいたけなんかは、気温の変化に鈍感なんだけど、舞茸はとても敏感で、そうだね、今くらいの気温、18度だと良いんだけれど、夏なんかは、ここらでも外気を入れると一気に30度に上がるから、空調がかかる。それに失敗すると、全部だめになってしまったりする。」
「へえ~でも空調は温度設定して、自動で管理されているっぽいですよね。」
「そう、自動なんだけど、、、機械も絶対じゃないし、壊れることもあるから。」
「なるほど。」
「ちょうど、今から見に行くきくらげのところもポンプが一棟、故障しちゃったみたいで…。」
「あ、そうなんですか…。」

舞茸の小部屋を出ると、奥の日の当たるところでは、なにやら大きな音を出しながら、一作業している。

「あれは何をしているんですか?」
「ああ、あれは菌床を、オガクズをばらしている。」
「へえ~」
「収穫が終わった菌床は、一回ばらして、畜産農家に渡して、堆肥にしてもらってる。寝床とかにもなるし、肥料にもなる。」
「そうなんですね。」

菌床の原料であるナラの樹は、日本独特の樹なので、大事にされて、最後は肥料になると聞くと、なんだか嬉しい。