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クイーンルージュ シャインマスカット ナガノパープル ルビーオクヤマ ロザリオビアンコ 子噺 甲斐乙女

四男と長野出張5。

上田市は、標高400mくらいの盆地に開けた場所だ。
ぶどうやりんごの他、田んぼも多い。
松茸山の看板も頻繁に見かける。

そういえば、昨年は大豊作で、いくつか譲ってもらったっけ。

平林さんが運転する軽トラの後をついていき、少し小高い丘を上がっていった。
草生栽培の斜面に、ぶどう畑が広がっている。

四方をネットと電線も張り巡らし、人と獣害を防いでいる。

ネットはもちろん、防風のためでもある。

ネットをくぐり抜けて、畑に入ると、横へ横へとぶどうの木が伸びており、一般的なぶどう棚とは一線を画している。
以前は”マンズレインカット”を取り入れ、上部にビニールの傘を取り付けていたが、現在は取り付けをやめた。

ヨーロッパで見るようなワインぶどうの畑に似ている。

 

「雨除けの傘はね、やめたんですよ。」と平林さん。
「ぶどうの木の、上へ上へ伸びようとする枝の剪定をするのに邪魔になってしまって。。
ここはなぜかナガノパープルでも割れないんで。」

2~3粒の小さな黒いぶどうが残っていて「もしかしてこれは?」
「ええ、ナガノパープルの二番果というか、まあ取り残しですね。その色だとあんまり…。」
「食べてよいですか!?」
「ええ、どうぞ、良いですよ。」

四男と分け合って食べると、めちゃくちゃ甘くて美味しい。

「美味しいっすよ…!」

平林さんとしては、十分に満足はしていなかったようで、次々と他のぶどうを見せてくださった。
全てのぶどうが、頭に傘をかぶり、紙の袋に包まれているので、ちょっとやそっとでは、どれが何か、とは分からない。。。

「甲斐乙女は今年は行けそうですよ。」

赤色のぶどうの代表格である”甲斐路(かいじ)”。
その改良品種である甲斐乙女。
皮が薄く、種は入るものの(ジベレリン処理をしてもなくならない品種)、ゼリーのような肉質で、抜群に美味しい。
玉割れが多くて、モノにならない年もある。

「ルビー(オクヤマ)はダメですね、、、玉が割れまくっちゃって。」
粒が割れてしまっていて、せっかく整えた果形が崩れてしまい、今年は出荷しないと言う。

「ごめんなさい、ほんと、うまくできなくて。。」と奥様にぺこりと謝られてしまった。

「これはロザリオですね。今年はうまく行ってますね。」

あめ色に熟したロザリオビアンコ。
これまた甘い。
種は入る(ジベレリン処理をしても種は無くならない品種)けれど、皮がかなり薄くなっており、皮ごと全然食べることができた。
だいぶ、熟度が高い。

「こっちはピオーネです。」
「おお~」
「ボク、これほしいよ。ふたつくーださーい。」
「ちょっと黙ってて、、、」

「でも、見てください、この色。これじゃダメなんです。」
黒いぶどうは、日照に加えて、夜の冷え込みが無いと、黒く色づかない。
昨今、ぶどう農家を悩ませている問題で、山梨では夜温が下がらず、ピオーネは今後、栽培されなくなると考えられている。
シャインマスカットの栽培が広がっているのは、黒ぶどうの栽培が難しくなっているためもあるのだ。

「上田でもこれですからね、、、ピオーネは本当に今後、難しくなってくると思います。」
「でも、このぶどうらしい風味は、販売側としては欲しいんですけどね、、」
パクリと食べると、やっぱり美味しい。
「美味しいじゃないですか! 色みはそんなに影響しないんじゃないですか? 熟度とか栽培日数によるんじゃ?」
「いや、色みも大事です。味に影響しますよ。」
十分に美味しいと思うのだが…。

↑ オリエンタルスター。

「クイーンルージュはどちらにあるんですか?」
「あ、じゃ、下の畑に行きましょう。あっちにあります。」

「おしっこ~」「へ?」「良いよ、ここらへん全部トイレだ。どこでしても…。」「…」