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ぶどう 上田 子噺

四男と長野出張4。

「つぎは、あいすくりーむ?」
「え?アイス?ちがうよ、ぶどうだよ。」
「え~ぶどう?よいよ、ぶどう。そのつぎはあいすだよ。」
「うん…。」

四男は、アイスクリームにご執心だったが、私は別のことが気になっていた。

二度あることは三度ある。
さすがに警戒して、高速道路に乗った後はすぐにサービスエリアに立ち寄り、トイレに連れて行った。
もう替えのズボンもない。
仕方ないので、念のため、車の中で干してはあるが。

お昼に、車の中で食べられるように、クリームパンやメロンパン、ソーセージパン、飲料を購入した。

長野は、広い。

北海道、岩手の次に、たしか広い都道府県だ。
須坂から上田も、同じ県内であっても、1時間弱かかった。

上田は、ぶどうとりんごを育てる平林さんのところを訪ねる約束をしていた。
平林さんは長らくぶどうでお世話になっている松崎さんの娘婿。
西武百貨店でデパートマンとして勤めた後、Iターン。
上田でぶどう農家として就農した。

「上田に着きました~ 今、公民館の前です~」
「あ、じゃあ、一回、うちにいらっしゃいますか?」
「はい!ぜひ!」

私は”家”を見るのが、結構好き。
モデルルームを見に行くのも好きだし、農家さんの”家”は古くてすごいか、すごくきれいで凝っているか、いずれにせよ、印象的な家が多くて、ぜひ訪ねたいと思った。

「そのままナビします~そこを左に行くと、車が止まっていて、道なりに行くと、小さな橋があるんでわたってください。あ、見えた見えた。そこ、また左に行って、突き当りを右に曲がってください~。」

新興の住宅地なのか、きれいで新しい家が多い。
その中でも一際、広く手入れされた庭と木と白を基調にしたおうちの前に、平林さんが立っていた。

「お久しぶりです~! うわあ~すごいっすね。きれい~。」

全敷地で300㎡以上あるだろう。
四男も大興奮で、奥様の顔を見るが早いか、勝手に玄関の扉を開け、中に入っていった。

つかまえると「ぼく、ちゃんとおじゃまします、っていったよ。」と、なんだか言い訳をしている。。。

二階がリビングになっていて、完全に広い。
我が家の全面積が入るくらいの広さ…。
梁がむき出しになっていて、木の色が美しく、ほれぼれするような家だった。

これまた広いベランダに出て、ひとしきり遊んできた四男もリビングに戻ってきた。
かと思えば、テレビの前のマッサージチェアにどかっと座り、ドラえもんを見始めた…。

「でも、普段は、二人しかいないんですけどね。」

やっぱり十年くらい前だろうか。
ぶどう畑で遊んでいた小学生は、今や大学生。
上の子はすでに社会人で、二人とも東京に住んでいるのだとか。

しばらくそんな話をした後、平林さんと奥様、私と息子、4人で畑に行くことにした。

息子は最初、このままテレビを見ると言い張ったが、奥様に「せっかく来たから、ぶどう、見に行こ。ね。」と誘われ、「え~じゃあしょうがないなあ。」なんぞ言っており、私を少々慌てさせた。

平林さんのぶどう畑は二か所に分かれており、一つは山の中腹の斜面にある。
まずはそこへ向かった。