下剤ばかりを飲んでいた日。
気を紛らわそうと、テレビを見ていたら、”ポポー”というくだものが取り上げられていた。
静岡で育てられているが、元は熱帯フルーツらしい。
”木になるプリン”とか
〝木になるカスタード”と形容されるそうな。
テレビの中で食べている方も「あ、これはカスタードだ。甘い~」と喜んでいる。
マンゴーをはじめとする熱帯くだもの好きの私としては見逃せない。
一通り食べてみたい。
バンレイシ科と言って、アテモヤとかチェリモヤと同じ仲間だ。
ちなみにアテモヤたちは、木になるアイスクリームと表現する。
と、言うわけでサンプル(?)を取り寄せ。
昼間の会社に届いた。
受け取った出荷の方々が「何これ~ 良い香り~」と口々に叫んでいる。
「それ、ポポー!後でみんなで食べてみましょう!」と伝えた。
かくして試食。
香りはかぐわしく、いかにも熱帯フルーツで、マンゴーとパッションフルーツを掛け合わせたような、すばらしくフルーティな香り。
緑の外観は、熟す前に黄色の小さなペリカンマンゴーを思わせるが、サイズはもう少し大きくなるそうだ。
皮は、さっと剥ける。
輪切りにしようと包丁を入れると、種が至るところにあり、切りづらかった。
出勤している皆さんにカットしたポポーをふるまった。
「ナニコレ、不思議…甘い…!」
バナナのような、酸味のないマンゴーのような、カスタードプリンのような…。
果肉はねっとりとやわらかく、熟しきったバナナみたいな食感。
ただ、甘さは相当で、20度以上あるだろう、と測ってみたところ、19~23.4度まであった。
相当高い。
ヒットするか?と言えば、好き嫌いが分かれそうなのと、種がいかんせん多くて大きいので、少々食べづらいか。
果実の大きさは、かなり差があるそうなので、大きい実だと、種はあまり感じないのかもしれない。
美味しいか、美味しくないかで言えば、美味しい。
そして、訂正。
ポポーは北米原産で、北アメリカ大陸の五大湖付近が原生地だった。
現地のネイティブアメリカンたちが、好んで食べたそう。
ただ、その、熱帯フルーツではなく、温帯フルーツだった。
温帯で育つバンレイシ科で、唯一の温帯フルーツだそうだ。
そういえば、テレビでやっていたのは、静岡で、ハウスではなく、露地だった。
こんなにトロピカルなのに!
というわけで、ポポーは、すんばらしい香りとプリンのような食感と甘さの、温帯フルーツでした。