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新高梨

新高(にいたか)梨の由来が変わっていた。

新高梨という梨がある。
”しんこう”と読まれる場合があるが、”にいたか”と読むのが正しい。
大玉の和梨で、新潟県と高知県が産地としては有名だ。
ジュース分が少なく、1kgにもなる大玉の梨で、大手スーパーさんだと500g前後のものが売られている。
日持ちがとても良く、冷蔵で保管しておけば半年ほど日持ちする梨である。

現在、メインである幸水や豊水を、より硬くしたような梨で、大玉なので、とても食べ応えがある。

名前の由来は、新潟の”天の川”という品種と、高知の”今村秋”という品種を掛け合わせて生まれたため、両県の頭文字をとって、”新高(にいたか)”の名前がついた。
納得したようで、あまり納得できない部分があった。
新潟の”にい”と高知の”こう”ならば、にいこうと読ませるのが常道なのでは、、?と思っていた。
まあ、たしかに読みづらいけれど…。

なんて思っていたら!

名前の由来に新説が出ており、かつ、親の品種も最近の研究では天の川と今村秋ではなく、天の川と長十郎であることが分かったそうな、、、

DNA鑑定は、品種の特定において、盛んに行われているようで、りんごの親も、けっこう頻繁に変わるので注意が必要だ。

そして、新高の名前の由来は、命名当時、”日本一”高かった山からとったようである。

台湾にある現在の玉山を日本名で”新高山(にいたかやま)”と呼んでおり(名付け親は明治天皇だとか)、その山にちなんで名付けられたわけだ。
玉山は、3995mあり、富士山の3776mよりも高く、当時は”日本一”高い山だった。

登録された年は1927年。
昭和で言うと2年。

国威発揚の意味もあったのだろう。
あるいは純粋に、日本一の山にあやかっただけかもしれない。

いずれにせよ、新高の名前は、当時の歴史的背景を背負った名前のようである。

ちなみに、和梨は、江戸時代を通じて盛んに交配が行われ、全国で100種類以上の和梨が生まれた。
それにもかかわらず、天の川も今村秋も、現在めったに目にしないのは、幸水や豊水というとても優れた品種が生まれたからである。