一つの品種が生まれるまでには、20年ほどかかるというが、それでも、20年前からずっと研究されているので、品種改良は本当に、日進月歩だ。
桃の場合、少し前まで、早く熟期が来ることを目的に、極早生種の育成が盛んだった。
山梨県の品種カテゴリー分けではあるが、白鳳と白桃の二系統に分けて考えると、わかりやすい。
元々の品種は、”白桃”。
ある程度固くて、糖度が高くて、ある程度大きい。
8月10日くらいの収穫。
この白桃の枝変わりで生まれたのが、”白鳳”。
収穫は7月15日ごろ。
やわらかく、ジューシーで、小玉で、白桃よりも早く収穫できる、早生品種だ。
糖度は白桃よりも低いが(11度前後)、やわらかくジューシーなため、甘く感じ、おおよそ一般の方が持つ桃のイメージに近い。
この収穫期の間を埋めるべく、様々な品種が生まれ、前述のように最近では、その白鳳よりも早い極早生種の開発が多かった。
一般的な早生白鳳が日川白鳳で、7月上旬に収穫されるが、それよりも早く収穫できる”てまり姫”や”千代姫”と言った品種が生まれた。
が、小玉だし、さほど美味しくない。
白鳳系と白桃系の交雑も盛んにおこなわれ、一番有名な品種は、”あかつき”だろう。
そして、白桃よりも後の時期を埋めるべく、古くは川中島、最近では紅錦香(くにか)、幸茜(さちあかね)、さくら、ゆうぞら、などが生まれた。
後半の白桃は、また別の品種群と考えた方が良い。
より固く、より糖度がたかく、大きいからだ。
桃のシーズン初期は、5kgで18玉~20玉ほど入っていたけれど、川中島やさくらは、13玉くらいしか入らない。
農家さんのところには、入りきらずに、11玉とか12玉のサイズもあるそうで、それはそれは立派な大きさの桃になる。
あるいは、ご贈答には一番向いているのかもしれない。
その頃になると、ひと箱も5kgにはおさまらず、12玉しか入っていなくても、5.5kgくらいに、箱がパンパンになる。
固い桃がお好きな方はそのまま、柔らかい桃がお好きな方は、1週間ほど常温で追熟させると、桃らしいやわらかさになる。
後半の白桃は、おおよそ、お盆過ぎから始まる。
一つの品種がおおよそ1週間で、次々とリレーしていくので、ぜひお楽しみあれ。
■雨宮名人の桃 山梨県産 約2.4kg 5940円(税込)~
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