なすは、インド北部が原産。
日本と同様に、高温多湿なので、奈良時代には伝わり、栽培化が順調に進んだ。
同時期に入ったものとして、だいこんがある。
日本を原産とする野菜くだものは極端に少ない。
高温多湿な気候は植物にとっては育ちやすい環境だったのだろうか、食べられるようになる植物が生まれなかった。
わさび、みょうが、わらびなどの山菜に限られ、柿や栗も、日本原産とする声もあるが、中国原産とする声もある。
地理的にも近く、おそらく両方なのだろう。
話を元に戻すと、なすは、奈良時代には伝わり、各地に広がった。
そのためか、地方には、様々ななすが存在する。
関東では、もっぱら、短なすというのか、丸みを帯びたちょっと長い紫色のなすが多い。
代表的な品種は、千両。
食味、肉質、育てやすさ。
三拍子そろった品種だ。
九州に目を向けると、長いタイプのなすが多い。
中長なすと分類されることもある。
皮がやわらかく、あくが少ない特徴がある。
1mくらいになって、カット売りが必須のような長なすも存在する。
大阪の泉州には、水なすがある。
水分が多く、あくが少ないので、生食が向く。
漬物にすると絶品だ。
塩もみして、食べてみると、なるほど、水なすとトマトは同じ仲間のナス科なんだなあ~と思う。
大型の丸ナスもある。
京都の賀茂ナスが有名だ。
皮は固いのだけれど、火を通すと、中の果肉がクリーミーになり、美味しい。
似たようななすに、米なすがある。
米なすは、アメリカ生まれのナスで、へたが緑だ。
小茄子という存在もあり、トマトのような大きさで、漬物にすることが多い。
東海地方にも特徴のあるやわらかななすが多く存在し、天狗なす、ていざなすなど、大型のなすがある。
天狗なすは、へたのところから、鼻のように二次生長するものが多いことから、その名がついている。
やや薄い紫で、果肉がトロリとして美味しい。
形や大きさだけでなく、色も色々ある。