2年連続で水晶文旦が収穫できず、でもなんとかその穴埋めを、と何種類か文旦類を食べてみた。
柑橘類は自然交雑もあるし、枝変わりもあり、それは文旦でも同様で、地元に根付いた文旦類も散見される。
土佐文旦、平戸文旦、大崎文旦、伊豆文旦などなど。
”文旦”という名称がつかないものもある。
大橘(おおたちばな)、それが熊本にわたって”パール柑”という名称で販売されているもの、河内晩柑にいたっては、美生柑、ジューシー柑、ジューシーフルーツなどたくさんの名前がある。
水晶文旦を念頭に置きつつ、私が最も気に入った柑橘は、”メイポメロ”だった。
ポメロは、フランス語や英語で”文旦”の意味。
五月に食べごろを迎えるから、きっと”メイ”が念頭に付く。
なんの気なしに食べてみたところ、すっきりした甘さで、酸味がきつくなく、苦みも気にならない。
風味も良いが、うち袋が剝きやすいのにびっくりした。
剥離性が良く、きれいに果実だけにすることができる。
晩柑類は、うち袋に苦みが多いものが多く、剥いて食べるものが多い。
剥きやすいものもあれば、むつかしいものもある。
メイポメロは、きわめて剥きやすい。
そしてサクサクした食感で美味しい。
八朔に似ている。
来歴を調べてみたところ、シャインマスカットを生んだヒットメーカー”農研機構”の作。
静岡の興津試験場で生まれた品種だった。
親は平戸文旦と八朔。
平戸文旦は、水晶文旦の親。
八朔を思い起こさせる食感の由来は、やっぱり八朔だった。
糖度もいくつか測ってみたが、12~13.5度くらいあり、良い感じ。
果実が剝きやすいので、サラダにしても良いかもしれない。
息子にも食べさせてみたが、「お、これは美味しい。」と目をぱちくり。
グレープフルーツ然とした見た目で、苦みや酸味を思い起こさせたのが、意外にも甘かったので、そのギャップが良かったのだろう。
ぜひ、そのお味を確かめてみてほしい。
■メイポメロ 香川県産 約2㎏(3玉前後) 2970円(税込み)