ハウス内で、熱心にお話をしていたら、信好さんもいつの間にか背後に現れ、「りょくけんさん、いつもお世話になります。いやいやあきらさんは元気か?まったく大先生からのお付き合いだから…」とご挨拶に来てくださった。
有難い事である。
磐田市の農林水産課の職員さんが同行していると聞いて「これ、翡翠。これは磐田ブランドに認証されているやつだよ。もう古い話だけれど。」とアピールしてくださった。
翡翠は、緑色のミディトマトで、完熟したものはやや黄色みがかかっていて、見た目とは裏腹に酸味が無く、なかなかどうして、甘く美味しい。
「ただ、業者さんによってはこの色、つまり未熟で取ってほしいという方もいて。」
「へえ~」
「フライにすると美味しいらしいんですよね。まあ、そういう方もいます。」と章弘さん。
そういえば、磐田ブランドになっている、と昔伺ったような…。
白から緑の間くらいの白真珠も、食味の良いミディトマト。
コクの面では、褐色っぽい黒真珠も良い。
アントシアニンがぎゅっと皮目に集まり、ぱっと見、黒とか茶色に見えるミディトマトだ。
「そしてこの2列が、キャンドルっぽい形のトマトで、レッドキャンドルと、イエローキャンドル。」
この二つは形状がかわいらしいだけでなく、甘くて、食味も良いトマトだ。
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冬には、トマトハウスの裏で、ケールを何種類も作っている。
「もう、菜の花が満開で、見るようなもんじゃないけどね。」
このほか、夏には、やっぱり独自に掛け合わせた”遠州とろけるなす”があり、焼きなすにすると、大きいんだけれど皮目もやわらかくてまるごと食べられる美味しさだそうだ。
”ていざなす”と、”鈴が沢(すずがさわ)なす”、”天狗なす”、の3品種を掛け合わせたなすで、今風に言えば、3元なすと言ったところか。
それぞれ、天龍村、阿南町、設楽町といずれも南信州と三河地方の在来の大きななすが、親となっている。
中には1kgになるものもあるそうな。
章弘さんのところは、今は磐田市だが、以前は”豊田町”と呼ばれた地域で、旧豊岡ともまた違う。
「陸で作るれんこんもありましたよね…?」
「ああ、もうここら豊田町の4件くらいの農家さんしかしてないんだけどね。支那蓮(しなはす)と言ってね。中国のレンコン品種なんだけど、途中から水田じゃなくするもんで、ぎゅっとつぶれた凝縮した感じになるんだよね。」
「へえ~」とハウスの前にある水田と水田跡地を見せてもらった。
「そうそう、これこれ。これがレンコンの茎だったもの。中に穴が通ってて、レンコンの感じでしょ?」
そうこう話しているうちに、私のシンデレラタイムが迫って来ていた。