多くの野菜やくだものは、葉っぱで光合成して、栄養分が実や根っこに蓄えられ、甘みやうまみになる。
でも、アスパラガスは、そうではない。
前年の秋までに株に蓄えたエネルギーを春に一気に使って芽吹く。
グリーンアスパラガスであれば、光に当たって葉緑素を作る。
ホワイトは光が当たらないのに、なぜあれだけうまみが出るのか?
「ホワイトは、根っこなんですよ。」
「根っこ? 前年秋までに蓄えたエネルギーがすごいからじ…」
「いやいや、それもある、もちろんあるけれど、光が当たらないことで、自分はまだ根っこでーす、って勘違いしてるんです。
緑にならないから、青臭さが出なくて、成長のエネルギー、つまり糖分とかアミノ酸がそのまま味わえるんです。」
「ああ、そうかも。あ、そうですね。」
緑にはなっていないので、青臭さが出ない。
でも、株にため込んだ糖やアミノ酸だけが上がってくるから、純粋に、その甘みやうまみを感じることができるわけだ。
とっても腑に落ちた。
「ただ、今年はいつもの場所で病気が出て、もともとグリーンアスパラガスをやろうとしていたところで作っていて。
ちょっと細いのが多いのと、調子も悪くて。4月いっぱいで終了すると思います。」
「グリーンとホワイトで品種を本来は使い分けているけれど、今年は同じにしたってことですか?」
「そうそう。ホワイトはもともと、極太の品種を使うんだけれど、それが今年ダメで。」
ハウスの中のホワイトアスパラガス。
確かに、太いものに交じって、細いものが多かった。
「今度、新たな取り組みで、あれ、なんていったけ? つぶしてポテトサラダみたいなものを作るって。」
「マッシュですか?」
「そうそう、そんな感じ。」
細いのを集めて、すりつぶし、マッシュホワイトアスパラを試験的に作るのだそう。
磐田市との取り組みなんだとか。
それはそれで興味がある。
「ちなみに、ブルーベリーも作ってるって伺ったんですけど?」