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七草 可児

七草の菱川さん。

名古屋駅から車で1時間ちょっと。
想像していたよりもずっと交通量が多く、思っていたよりも時間がかかった。
木曽川を渡る大きな橋の手前に、菱川さんのご自宅 兼 会社 兼 農場はあった。

 

「こんにちは!りょくけんです!」とあいさつして入ると、長ねぎの選果作業をしていた中から、私と同じくらいの年代の方が歩み寄ってくださった。
菱川さんだ。

―足を引きずっている。。。

菱川さんとは5年ほどお付き合いさせていただいている。
実は、それ以前にお取引きさせていただいていた長野の本藤さんが、病に倒れ、供給が難しくなってしまった。
本藤さんのご紹介先の、さらにご紹介、と人づてに、何とか菱川さんに辿り着いた。

「こんにちは、菱川です。」と名刺交換。

菱川さんで、5代目、法人化してからは3代目だそう。
接待室で、1時間くらい話し込んだだろうか。

コロナには注意しないと、といった話から、トラックから落ちて、骨を折ってしまった話などを伺った。

「僕なんかいつも、ざれごと、たわごと、ねごとを言っているだけですけどね。」

笑っていた顔が、急に真面目な顔になって

「七草と言う文化は絶やしたくない。そう思っています。」と力強く言ってくださった。

ごぎょう、はこべら、ほとけのざ、すずな、なずな、すずしろ、セリ。
これらを刻んで、7日の朝におかゆにして食べると、一年を健康に過ごせる。
お正月の豪華な食事で、疲れた胃腸を癒すのに適しているのだそうだ。

この7種類。
同時に収穫し包装し、出荷するのが大変だ。
12月年末から、1月の年始にかけて、作業も集中する。
日本人なら、一番休みたい時期だろう。

30棟ほどあるというビニールハウスを駆使し、出荷時期を合わせる。
もう20年も携わっているが、同じ年はないと言う。
そして、人集めも大変なのだけれど、幸い、可児市の隣には工場が多くあり、工場が休むので人手は集まりやすいのだそう。

「毎年、この時期になるとはがきを送ってね。”今年はどうですか?
”って。だんだんと年齢も行ってきて、なかなか大変なんだけど、同じ面々にまた会えると安心してね。やあ、○○さん、今年も来てくれた。ってね。」

真面目な顔が、少し嬉しそうになる。

じゃあ、今年もお願いしますね!そう言って、別れた。

商売から始めた”七草”だけれど、僕も、この食文化を伝えていきたいと思う。

今頃、忙しいときだろうなあ~。

■春の七草 岐阜県産 756円(税込)

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