澤山さん宅から、平農園さんへ。
道すがら、澤山さんから聞いたことを車内で反芻していた。
奥さんは、初見だと思うが、弊社の事について、大事にしていること、共感していることをサクサク挙げてくださり、「頑張ってください。」と言ってくださった。
ご主人は静かだが、農業に実際に従事していて、やっぱり詳しかった。
大豆と在来のインゲン豆などの価格差は、機械化できるかできないかにかかっていることを教わった。
大豆とインゲン系の豆の価格差は、5倍くらいある。
大豆は自立して腰や肩の高さまで生長するが、インゲン系の豆類は、ツル性なので自立しない。
トマトのように支柱をひとつひとつ立てて、そこに絡ませる必要がある。
自立している大豆であれば、トラクターが入って一斉に刈り取りができるが、ツル性で支柱があるものはトラクターが入っていけない。
「最近の品種はトラクターが入っていきやすいように、下の方には豆ができないように改良もされていて、収穫もしやすいんですよ。」
支柱が立っている場合は、一本一本、土から抜き、それから手で刈り取っていく。
カラカラに乾かしたさやから、取り出しやすい豆もあれば、取り出しづらい豆もある。
棒を使ってたたけばさやが木から落ちて、さやも割れて、豆が姿を出す品種もあれば、変にやわらかくて、ひとつひとつ出さなくてはいけない豆もある。
収穫後は、豆選り(まめより)と言って、A品かB品かを選別して、さらに磨きをかけて、きれいに仕上げる。
収穫したての豆は、少し鈍いマットな感じ。
磨くことで、ピカピカの光沢を放つようになるのだ。
11月までにおおよその収穫を終えて、さやごと、あるいはツルごと日に干して乾燥させ、雪が降るころに、豆選りをして磨きをかけて仕上げていく。
新豆の時期、なかなか大変なのは、収穫も仕上げも同時期にやらなくてはいけないからだ。
そして、収穫は雪が始まる前に終わらなければならない。
11月は、豆農家にとっては、そんな時間との戦いでもある。
(一応、ほぼ収穫が終わったのを農家さんに事前確認してから、私は来ている)
現地に来て、直接話を聞くのは、やっぱり勉強になる。
ふと、収穫の終わった畑に山積みになっている作物が気になって、車を止めた。
誰もいない黒土の畑に入って行って、三角の、かぶのような大根のような作物を凝視した。
「てんさい、ビートか!」
サトウダイコン、てんさい、ビート。
様々な呼び名がある。
サトウキビが取れない地域の、貴重な砂糖原料。
赤ビーツの仲間でもあり、ほうれん草と同じヒユ科に属す。
てんさいは、単価こそ低いものの、栽培しておけば、政府から補助金が収入として入るので、経営基盤として、北海道の農家さんは組み込むことが多い。
どんな体裁でもお金は支払われるからなあ。。。
それにしてもこの山積みの仕方、若干ぞんざいだなあ、、、
再び車に乗り込み、平農園さんに向かった。
近くまで来ると、なんというのか、がけ崩れでもあったのか、山の斜面がきれいにえぐられ、地層がむき出しになっている箇所が続いているのが見えた。
「崖?」