りょくけん東京

りょくけんだより
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子噺

田んぼに行きたい5。

草刈りがきれいに終わった方のあぜ道を登り、しばらく黒田さんと話し込んだ。

こどもたちは、まだ虫に夢中だ。
浅間山を背景に、田園地帯が続く。
何度も言うが、青い空に白い雲。

とてもきれいだ。

 

そういえば、佐久南のインターを降りたとたん、長男が、「うわあ~良いとこ~。ここ住みたいな。」なんて言ってたっけ。

稲なのか、刈ったばかりの草なのか、甘い香りが、佐久に着いてからずっとしている。

「なんだろう、この甘い香り。稲の匂いですかね~。」と嫁が問いかける。
「え?そんなのします?」

私もその香りは感じていたので、「しますよ~」と答えると、黒田さん夫妻は「全然わからない。やっぱり住んでるとわからないことなのかなあ。」と驚いていた。

住んでいる方には、もう、当たり前の空気なのだ。

「ここは一段高いところにあるので、あの小屋の中のポンプで用水の水をあげてから田んぼに水を入れるようになっています。今、あっちの田んぼの方が水を入れているので、その次に入れるようになると思います。」
「へえ~順番なんだね。」

株間が広い

黒田さんの田んぼの稲と稲の間は広い。
ふつうは15㎝感覚でこの辺りの方は植えるそうだが、24㎝とほぼ倍にしている。
稲も、10本くらいを一か所に植えるが、3~4本に抑えている。

一般的な稲の株間

要は、田んぼの中に植える稲の数を抑えて、収量を追わず、食味をあげる努力をしているわけだ。

「永田農法じゃないですか。」
「え?はい、やっぱり影響受けてますよ。農薬への考え方とか、肥料とか。」

隣の田んぼを見比べれば、その差は歴然。
一か所当たりの稲の本数がぎっしりして、株間も狭いのに、黒田さんの田んぼはふわっと稲が植えてあり、横に少し広がる感じ。
日の当たり方とかも違ってくるだろう。

「車通るよ~」

田んぼと田んぼの間の道だったので、車は割と頻繁に通る。
例によって話しかけられる。

「うちは終えるから、もう出して良いよ。」
「本当ですか?」