「大森さん、おめでとうございます。」
「?」
松屋の食品売り場のマネージャーさんから突然、祝意を表された。
「今度の合同朝礼で、クルー賞の表彰に大森さんが決まりました。」
「え、まじっすか?」
私がお客様に感謝したことから、‟感じが良かった”と松屋側に入電があり、そのことでマネージャーさんが推挙してくださり、満場で決まったらしい。
「えええ~~~」
なんだか、他の頑張っている方々に申し訳ない。
合同朝礼での表彰。
何かしゃべらなきゃ、かな。
1分くらいはいただくんだろな。
マイクに頭をぶつけて、つかみをとっておこう。
しかし9時半集合か~
朝番の当番の日だったので、8時から出勤はしているが、開店の30分前。
もっとも忙しい時分だ。
あらかじめ、もう一人の朝番当番のスタッフさんに謝りを入れた。
当日。
少し早めに開店準備を始めて、9時半にはある程度のところまでできた。
もう一人のスタッフさんが、「もう9時半ですよ。社長、行かないと。あと引き継ぎますから。」
「ありがとう。」
1Fの朝礼が行われるであろう場所に行くと、朝礼の段取りを告げられ、自分が受けた賞が「クルー絆賞」であることが分かった。
あ、なるほど。
”ベストクルー賞”であれば、分不相応と思っていたけれど、絆がテーマであれば、それなりに自分は適任(?)だと思った(笑)。
司会の方に、「しゃべりは(ありますか)?」と聞くと「大丈夫です、ないです。」
あ。少し残念。
朝礼が始まり、壇上で、どうして絆賞を頂くことになったかの経緯を聞き、表彰状と副賞を頂いた。
有難い話である。
お辞儀をする際、マイクに頭をゴツンと…二秒くらい考えたが、完全アウェイだったので、踏みとどまった。
社内報用の撮影をした後、売り場に戻った。
残されたスタッフさんは合同朝礼に私を送り出した後、準備以外にも、食品売り場の朝礼に出なければならず、何も館内放送は聞けなかったし、準備も厳しかったそうで、やっぱり悪いことをした、と思った。
でも、なんだか私は嬉しくて、お客様とのご縁をこうして第三者に認められたのが嬉しくて、ニコニコと「悪かったねえ。」と謝っていたと思う。