黄金桃というと、加工用の黄色の果肉の桃が思い浮かぶ。
缶詰のシロップ漬けになる固い桃だ。
が、黄金桃は、白桃から生まれた枝変わり品種で、生食用の桃だ。
生産者さんは、白桃の新しい品種にも敏感だけれど、黄金桃には着目しており、多くの優秀な農家さんで、大概、白桃と同時並行で栽培している。
山梨では、黄桃と書いて、”きーとう”と呼ぶ方が多い。
”おうとう”と呼ぶと、加工用に聞こえるし、さくらんぼのことを桜桃(おうとう)と呼ぶので、区別するために、読み方を変えている。
元々、黄金桃しか品種は無かったが最近ではネクタリンと掛け合わせた”ワッサー”や、黄金桃の早生種として、黄美娘(きみこ)、甲斐黄桃
(かいきーとう)、秘味黄金(ひみおうごん)などいくつかの品種も生まれて、栽培にもさらに力が入っているように思う。
「どちらが美味しいの?」とよく聞かれるが、これはなかなか判断が難しい。
やはり桃らしい甘さを味わいたいのなら、本白鳳、浅間白桃の出来の良いものが、お勧めで、めちゃくちゃ美味しい。
何が違うのか聞かれると、「色とフレーバーと果肉の質」の3点だろうか。
ほんのり酸味が上乗せされて、味の濃さを感じる。
果肉はより粘りがあって、ねっとりしている。
マンゴーに例える方もいるが、果肉の感じは似てなくもないが、味は似ていない。
山梨の雨宮さんはいくつかの品種をリレーしてお盆頃まで収穫する。
お盆後は、無袋で育てた黄金桃も登場する。
無袋で育てたもののほうが特徴が強く出る。
ぜひ、その味の違いも楽しんでほしい。