やってしまった。
移転の準備に、私一人だけ取り残されていて、夜まで会社で仕事をしていた。
新事務所に、荷物も移動させた関係で、会社の前に自家用車を駐車。
24時を回ったところで、やっと申請が終わったので、恐る恐る社屋を出て、駐車している車のフロントガラスを見る。
「ああ、、やられた、、」
ー駐車違反だ。
黄色のシールに大きく赤いマルとバッテン。
近所から苦情があったのかもしれない。
午後11時58分に記録されていた。
もう少し、もう少し早く、終わっていたら…。
記載のあった警察署に電話を入れると、今から来てください、とのこと。
深夜ですが…?と言うと、警察は大丈夫、24時間やってますから、と返された。
駐車違反シールを貼った警官本人と対面。
やたら申し訳なさそうに、案内してくださる。
「なんであそこに停めていたんですか?」
「会社で仕事していました。」
「え?あのシャッターのしまっていたところですか?物音も聞こえなかったので、完全に放置駐車だと。ふつうは、近くにいることが分かれば、我々は『移動してください』って声かけるんです。」
深夜だったので、シャッターも閉めていた。
PCに向かって助成金の申請をしていたので、物音もなかったことだろう…。
ああ。
もう少し早く終わっていたら。
シャッターを少しでも開けていたら。
もう少し社屋に寄せて駐車できる技術があったら。
タラレバが頭を駆け巡った。
この1年で、3回目の駐車違反。
仕事柄、荷物を持って銀座のお店に行ったりする。
その際に、違反を2回。
駐車禁止は1回で2点減点。
6点で免許停止。
初犯だから30日の間、免許が停止となる。
落ち込むけれど、人に関する違反でなかったことを幸いとしておきたい…。
「免停ですか?」
「大森さんの話を聞いた限り、そうなりますね。どうしても、私どもでは確認できないので。」
「今から、車に乗って帰って良いんですか?」
「免停については、はがきがご自宅に行くと思いますので、受け取ってから、免許停止になります。今は大丈夫ですよ。」
優しく、柔和な表情で言われた。
慎重に、言葉を選んでいるのが伝わってくる。
それにしても、深夜の警察署。
忙しそうであった…。
それこそ、私なんぞで、お手間をかけさせてしまったのが申し訳ないと思うくらい…。