14.9度。
何か所か測ったけれど、15度を超える数値はついに出なかった。
「おいておけば、おいておくほど、糖度は上がる」
畑にならせておけば、ならせておくだけ糖度は上がっていく、と開発メーカーさんは言ったそうな。
他でもない、金色の果肉を持つ”金色羅皇”の事である。
「内田さん、じゃあ、責任取りますんで、最後の畑で、一玉だけ、残しておいていただけないですか?とびっきりの数値を出しましょうよ。」
「果肉の中で割れがでなければ、けっこう行くと思うんですが。」
熟度を上げたとき、スイカには二つのリスクがある。
ひとつは、果肉がぼそぼそしてしまうこと。
もうひとつは、種のある付近で分断が起きて、そこから皮側に、糖が回らなくなり、全体としても、糖度が上がらなくなってしまうこと。
着果から48日。
充分に畑に置いた金色羅皇が届いた。
かなりの重さで、10kgまで測れる測りで、EEE、つまり測定不能だった。
期待に胸を膨らませ、一人、カットして食べてみた。
ー甘い、美味しい。
シャリ感も失われていない。
と同時に、これだけ、シャリ感が残っていたら、糖度が17度とかにはならないかな、と思った。
スイカは、果肉の部位によって、糖度が違う。
中心部が一番高く、種の周りも高くて、皮際になると、糖度が落ちる。
それは、きっと、糖度計で測らなくても、直感できる部分だと思う。
色が濃いところは、糖度が高いじゃないか?とかいろいろ思ったけれど、やっぱり中心部が高い。
14.9度。
内田さんに連絡。
「あ、食べられましたか。どうでした?」
「14.9度でした!」
「まあ、一年目なんで、そのくらいですかね。」
スイカは12度あれば、とても甘いので、14.9度は高い。
ただ、黄色の果肉のスイカは、ややさっぱり感じるところがある。
「来年はもっと種が出回る、って言ってましたんで、いっぱい市場に出てくるっぽいです。」
市場の原理が働き、来年は少し安くなるだろう、という予告だった。
「でも金色羅皇は、来年も作ろうと思います。」
良かった。
ここで”来年はもう作りません”と言い出す方も、いないわけではないからだ。
「羅皇(赤いほうのスイカ)は、だいぶ自信がついたので、来年もっと力を入れて頑張ります。」
羅皇は3年目。
かなり美味しかった。
「熊本でも、上には上がいますから。」
謙遜かもしれないけれど、その向上心が嬉しい。
来年も、私も頑張ろう。
———追記————
通販のスタッフとあらためて食べたところ、なんだか一人で食べるよりも甘く感じ…。
再度、糖度を測ってみましたら、出ました!
糖度15.1度!
おいしさは、糖度だけではないのですし、ましてや育てたのは私でもないのですが、目標としていた15度超が出て、嬉しいです!
来期はもっと美味しくできる、と内田さんも言っていましたので、楽しみです。
なお、夏は長野県産が市場には出回ります。
りょくけんでは取り扱いがないんですが。。