高級メロンの代名詞でもある”マスクメロン”。
マスクは”じゃ香”という意味のフランス語”musk”から名付けられたもの。
品種は、アールス・フェボリット。
アールスメロンとも言われる。
イギリス王室で、改良された品種で、栽培が難しいため、高値になる。
1960年代に生まれたプリンスメロンによって、日本でもメロンの育種に力がそそがれるようになった。
美味しいことはもちろん、栽培が容易で(≒地這いで育てられ)、ネットが美しいものが目指された。
それが、アンデスメロンだ。
農家にも栽培が容易で安心です、消費者にも美味しいから安心です、の”安心です”を略して”アンデスメロン”と名付けられた。
温暖化など外部環境の変化もあり、アンデスメロンはさらに進化して、現在は、キスミーという後継品種が出ている。
日本では夕張メロンの成功もあり、赤肉メロンも尊ばれる。
その最新品種が、クインシーとマリアージュメロンだろう。
私は師匠の一人から、赤肉メロンはメロンとかぼちゃの掛け合わせだ、と聞かされたけれど、そういうわけでもなさそう。
アメリカ原産のスパイシーカンタロープメロンが赤肉品種で、そのカンタローブとアールスメロンの掛け合わせが夕張メロンだった。
スパイシーカンタロープメロンは、ヨーロッパのカンタロープメロンの改良品種。
カンタロープ自体が、かぼちゃとの掛け合わせ、あるいは、瓜→かぼちゃ→かぼちゃの中から甘みのあるものが赤肉メロンになった可能性もあるのではないかと、私は勘ぐっている。
(英語の資料を見たところ、メロンの語源は、pumpkinの一種だという記述があった)
メロンの長い長い歴史については次回に譲るとして、まとめると…
メロンにはいくつか品種と育て方がある。
■品種
・緑肉→糖度が高い。
・赤肉→果肉が柔らかいので甘く感じる。かぼちゃとの掛け合わせとも言われるが、定かでない。カロテンが多いのは間違いない。
・アールス系 …英国王室で育種されたメロン業界のドン。ここから多くの品種が掛け合わせて、現在の趨勢になっている。
・雑メロン …その総称”雑メロン”は、違和感があるけれど、交雑メロン、というくらいの意味合いだと思う。地這い栽培が可能。
Tバーと呼ばれる”ツル”が無いことが多いけれど、最近は、こだわって雑メロンを育てる方が多いので、ツルもきれいに残す方もいる。
■育て方
・立体栽培、一株一果 …支柱を立ててツルをつるして栽培する方法。高級メロンの定番の栽培方法。一株から一つだけならす。
・地這い栽培 …支柱は立てず、そのまま地を這うようにして育てる。一株から3~4果を育てることが多い。