お正月の野菜は、普段見慣れないものがある。
例えば八つ頭。
やつがしらとひらがなで書くこともあるし、八頭と二文字で書くこともある。
さといもの一種で、親芋が肥大して子芋と一体化した巨大なさといも。
八つの頭があるように見えることから八つ頭と呼ばれ、子孫繁栄にかけて、お正月に食べられるようになった。
関東では、埼玉県が産地として有名で、八つに分かれない、一塊の新しい品種も生まれている。
大きな八つ頭は、都会の需要に合わず、小さいものが重宝するのかもしれない。
産地は各地に点在しているが、あまり多くない。
りょくけんでは、山梨や奈良県、富山県の生産者から譲っていただいていたが、最近は長野県天龍村の生産者さんから譲ってもらっている。
天龍村は、八つ頭を文化として食す。
一つ向こうの村では全く食べない。
一昨年前の夏、天龍村の生産者さんを訪ねたことがある。
天竜川沿いの、山深い場所で、急峻な山々の中の細い山道を長いこと車で走って、やっとたどり着いた。
辿り着いたところから、さらに歩いて少し上に上がった山の斜面の畑で、八つ頭はすくすくと育っていた。
生産者の大杉さん曰く「肥料も農薬も要らない。こんなに楽な野菜はないんだが。」
畑を見つめる大杉さん。 |
八つ頭は、代々伝わってきた芋を自家採種しており、気候風土に合っているのだと思う。
また、肥料を与えてしまうと、変にふくらんでしまい、八つ頭特有の、あの緻密な肉質にならないのだと言う。
おもしろいものである。
調理方法もさほど難しくない。
洗った後、がつがつと乱切りし、そこから皮を剥いて、蒸したりゆでたりすればよい(さといもと同じ)。
粉質が強く、ぎゅっと詰まった食感とあまみを楽しんでいただける。
ぜひ、今年はご自宅でも調理に挑戦してみてはいかが?
■八つ頭(やつがしら) 長野県産 1株(600g超) 1836円(税込) …こちは残り僅か。
https://www.shop-ryokuken.com/SHOP/36304.html
■八つ頭(やつがしら) 長野県産 1株(300g前後) 972円(税込) …まだ余裕ございます。