気候や土壌や作り手が品質を生む、と言えば、れんこんも顕著だ。
私は長く、佐賀の白石の真崎さんのれんこんを扱っている。
真崎さん |
以前は、轟さんと真崎さんのお二方にれんこんをお願いしていたが、8年ほど前に轟さんが亡くなった。
SKIPの時から轟さんにはお世話になっていたので、悲しかった。
轟さん。 |
轟さんや真崎さんのあたりは、150年前、つまり江戸時代に干拓された土地で、ミネラル豊富な土壌が特徴で、何を作ってもだいたい味が乗るそうな。
特にれんこんと玉ねぎが名産になっている。
白石。 |
ここから向こう100m先も干拓地だが、似て非なる土壌で、できてくるものは全く別物だ。
ホクホク感が違うのだ。
他の農家さんのものを扱ったこともあるが、どちらかというとシャキシャキする。
以前、品種は何か?としつこく聞いたことがある。
「品種名は覚えていないけれど、岩国れんこんの株を譲ってもらった。」と。
岩国れんこんは、錦帯橋で有名な山口県の一地方。
れんこんの名産地だ。
これまた、ちゃんと調べていくと、岩国のれんこんは、石川県つまり加賀れんこんの品種を譲ってもらったそうな。
全国一の生産量は茨城だが、茨城でも加賀れんこんの株を譲ってもらって作っているようだが、ホクホクではなく、シャキシャキするそうだ。
”株”というところがミソで、実は、れんこんは20年くらい株を更新しない。
同じ株から20年間、収穫し続ける。
つまり、それだけ土壌や作り手の影響が出やすいのだ。
包丁を入れると糸を引く。
ホクホク感の強い、真崎さんのれんこん。
2020年もぜひごひいきに。