小倉さんの畑は、理路整然としていた。
周りがブルーのネットで囲われているだけでない。
とてもよく手の入った圃場。 |
白い鉢植えが縦横そろって並んでおり、地面には黒のマルチシートを敷きつつ、通りには白いマルチも敷いてあった。
一つ一つの鉢植えには二本のホースがささっていた。
「この片方が水をやるホースで、こちらのほうが液肥をやるホースでね。一応あの小屋にコントロールパネルがあって、一定の条件になると散布されるようになってる。」
小屋の中の装置を操作する小倉さん。 |
周囲を囲むブルーのネットは二つの効果があり、風が吹き荒れたときの防風になる。
もう一つは、虫が入りづらい。
側面を遮るだけでも、防虫効果があるのだ。
「だいぶお金もかけて、整備しましたわ。」
上を見上げると、パイプが何本もあり、骨組みのようになっている。
「柿はねえ、収穫前から1か月くらいの雨が天敵でね。その時分になると、上にビニールを張るんですよ。」
上部にビニールが貼ってある。柿のすぐ上と、その上に畑全体を覆うようにビニールが貼ってある(9月撮影)。 |
側面はブルーのネット。
上部にはビニールシート。
どこかでも見たことのある仕組みだった。
太秋柿は最新の柿品種で、シャリシャリした摩訶不思議な食感が特徴。
そして、その食感を楽しむには、かなり緑のまま食べないといけない。
「東京にお店を持ってるなら、ぜひやってみてほしいな。東京のお客さんたちが、どんな反応するのか。。」
私もやってみたい、そう思った。
「早秋柿は、色づきが良くてね。完全種なしの甘柿の中では、早生種で早く収穫できる。できるんだけど、あまりよくわからないところで、あっという間に熟していくから、むつかしんだよね。」
どうやら、お勧めは太秋柿で、早秋柿は市場性が高いけれど、弊社には向かない、小倉さんはそのように判断したようだった。
「ところで、まめ柿って興味ある?」