渋を食べたことがあるだろうか?
私は経験がある。
一瞬、あ、甘い!と感じた後、渋はやってくる。
それこそ、舌がしびれる。
つーんと痛いくらいの刺激がある。
この、渋の正体は、大概の食べ物同様、ポリフェノールである。
柿の場合、タンニンだ。
日本の長い歴史の中で、先人たちは、この、渋を感じさせなくする手段を見つけた。
干し柿(干したばかりのところ) |
仕上がり直前の干し柿 |
収穫後に天日に当てて干す、いわゆる干し柿の手段。
焼酎などアルコール分を垂らす方法。
最近では、部屋中を炭酸ガス(=二酸化炭素)で充満させる方法が一般的になった。
一度に、大量に処理できるからだ。
会津身不知柿。焼酎を垂らして、”渋抜き”する柿。とろ~とした食感が特徴。 |
ちなみに、”渋抜き”と言うが、渋は抜かれない。
正しくは、”渋包み”と言って良い。
渋の正体であるタンニンをアルコールなどで包むことで、人間の舌に感じさせなくする(おそらく、ビタミンCが豊富に含まれるのにも関わらず酸味が無いのは、このあたりのメカニズムとと同時進行だ)。
目に見えなかったタンニンは、包まれると、目に見えるようになり、黒い点々はその、包まれたタンニンであり、”黒ゴマが多い柿は美味しい”という俗説があるのはそのためだ。
最もその特徴があるのは、和歌山の紀の川柿だろう。