「お、おおー！」

真っ暗でもない。

マンションやホテルの光で、薄明るい空でもはっきりと横にサアーっと流れる光を見た。

私の住む町は、夜が明るいので、見られるかな？と半信半疑だったが、マンションの五階の踊り場に一人たたずむと、少し目が慣れてきた5分くらいの時に、一つ目の流れ星が見られた。

ペルセウス座流星群。

星を見るのが好きだったのは小学生の頃だったように思う。

茅ケ崎の空は割と暗く、帰り道に夜空を見上げていると、意外と流れ星を見ることができた。

当時、流行っていた聖闘士星矢や星の瞳のシルエットみたいな漫画の影響もあったかもしれない。

あまりにもあっさり見えたので、そのまま星を観察。

市内では明るすぎて星座も見えない、なんて思っていたけれど、夏の大三角形も、カシオペア座も、目が慣れるにつれてみることができた。

最初のを見た後、15分くらい後にもう一つ見えた。

今度は少し縦方向。

短い流星だった。

そういえば、流れ星を見る目的があったっけ。

”会社がうまくいきますように”

二つ目を見た後、思い出しように願をかけだした。

心の中でずっとつぶやく。

まるで念仏のように。

夜中の1時半の事だった。

明日は店で遅番とは言え、変わらず保育園への送りや小学生たちは学童に行くので、朝は起こされる。

明日も、それなりに、早い。

30分ほど粘ったが、二つ目以降は目にすること、叶わず。

3個目を見るのは、断念した。

願をかけ始めたら見られないなんて―。

でもそんなものかもしれない。

「自分で頑張れ。」と言われた気がした。