「ぶどうがよー。割れちゃってしょうがないんだよなあ。」
ショックなような、やっぱりか、というか。
黒いぶどうの生育が良くない。
雨が降り続き、陽が出ず、その後やってきた猛暑。
水が入っても光合成がままならないところに、一気に陽があたって光合成を開始。
生長に追い付かず皮が、はぜてしまう。
ハウス内で育てていたぶどうも、皮が薄く柔らかいナガノパープルは、ここにきて、皮が割れて、正品がとてつもなく少なくなってしまった。
順調であれば8月5日くらいから出荷開始だが、いまだ一つも入荷しない。
「今年はだめかもしれない。申し訳ないね。」
「シャインマスカットや露地の黒ぶどうはいかがですか?」
「あーそっちは大丈夫。シャインマスカットはなんともねえんだよな。」
同じぶどうでも状況はかなり異なるようだ。
さ、困った。