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桃の”霜降り” |
美味しい桃の見分け方にはいくつかコツがある。
私は、下の二つを見るようにしている。
1.赤くないところを見る。
赤くない部分は、葉の陰にあったり、日陰だったために着色していない部分。
桃は、白地に、日が当たってだんだんと赤くなる。
この、白い部分が緑っぽければ未熟。
黄色っぽくなっていれば、熟していて美味しい。
収穫後であっても、緑はだんだんと色が抜けて黄色っぽくなるので、少し置いておいても良い。
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赤くない部分が黄色っぽい=熟度が高い。 |
2.おしり!?を見る。
桃が販売されている場合、フルーツキャップと言って、網のような緩衝材に入っていることが多い。
そこをペロッとはがして、下になっている部分を見る。
おしり!?と表現したが、実は頭だ。
枝についていた部分。
ここに枝の跡がついていると、美味しい目安になる。
そこに枝があって、それを乗り越えようとふっくらと成長したことを表す、というか。
ちなみに、枝に食い込むように育った桃は収穫が少しだけ難しい。
ちょっとひねって桃の実にあたるとそこから傷むからだ。
枝に沿って、くいっと、果実に当たらないように収穫する。
ここがもし仮に傷んでいたら、そこまでのクオリティの生産者なんだと思う。
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枝の跡がくっきり。 ただ、これは収穫を失敗している。跡のところに傷がありそこから傷んでくる。 |
3.霜降り。
詳しくはわからなかったけれど、小さい果実の時から陽に当たって育つと、あばたのような模様ができる。
気持ちが悪い!と言って選ばない方もいるかもしれないが、この点々が入っているほうがうまい。
「私たちなんかは”霜降り”なんて呼んでてね。」とは故 高橋さんの言葉だ。
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市場経由ではまず見られない肌の桃。 風などで細かい擦り傷が付き、それを直そうとかさぶた状のものができる。 実はその時にエネルギーを集めるので、糖分が集中していて、美味しい。 直売所などで見かけたら、”買い”だ。 |
4.時期と産地によって品種が違うので注意。
これはとっても重要。
ハウスを活用して、九州から5月後半とか6月頭から桃が出るけれど、総じて美味しくない。
早く出せたほうが良いので、千代姫など極早生の小さい玉の品種を育てているが、極早生品種は総じて美味しくない。
早いだけだ。
6月中旬くらいになると岡山のハウス物が出てくる。
続いて岡山の露地もの。
このあたりは美味しい。
7月上旬になると、山梨の桃が始まる。
多くが白鳳系のやわらかい品種。
いわゆる”桃”のイメージのとろけるような食感で、ジューシーだ。
7月下旬になると、白桃系になる。
少し大玉になり、ややしっかりした果肉になる。
ただ追熟させれば、桃らしいやわらかさになる。
販売するものとしては、このあたりから配送などに使いたい。
8月のお盆のころから、晩生の白桃になり、いよいよ大玉になる。
こちらはさらにしっかりした果肉になり、追熟がマスト。
山梨の地元の方は、この固い桃を固いまま食べるのがお好きだそうだが、地元以外の方は、やっぱりおいておいて柔らかくなってから食べるのがお好きだろう。
あかつきは、白桃と白鳳のかけあわせ。
福島では盛んに栽培されている。
旬は7月下旬ごろ。
山梨や福島よりも北になると旬が1週間から2週間くらい後ろにずれていく。
最近は青森や北海道でも栽培されるようになってきた。
参考までに。