初めて、目にした、貴重この上ない、国産のグレープフルーツ。
だが、うまくない。。。
「酸っぱい…。」
「後味が苦いっすね…。」
糖度を測ると9度だった。
先に紹介した、高糖度系のオレンジみかんであれば、糖度15度くらいになる。
糖度が上がりづらいと言われる普通のみかんだって、12度くらいになる。
国産だから、糖度15度くらいになって、ジューシーで苦みがなくて、きっと美味しいのだろう、と勝手に想像していた、舌の感じは完全に裏切られた。
独特の苦みの正体はナリンギンと言うポリフェノール。
他のブンタン類には、含まれないグレープフルーツ独特の味はこの成分から生まれる。
「日本ではやっぱり積算温度が足りないんだな。」
ぽつんと、当時の上司が言う。
「じゃあ、どうすれば改善できるんですか?」
「ハウスか、どんなに落果しても、樹上で遅くまで完熟させとくんだな。」
ただ、それには問題がある。
ハウスはたてるのに当然、お金が要る。
遅くまで気にならせておくと、歩留まりが悪くなる。
外観も悪くなるし、何より、実が落ちる。
もしかしたら、ス上がりもしてしまうかもしれない。
優位性は、やっぱり国産であること。
海外産のものはもれなく、イマザリルやチアベンダゾール(TBZ)という防カビ剤が塗布されている。
何カ月もかけて日本に入ってくるのに、日本に着いてからも、一向に傷まない。
怖い話をすれば、イマザリルもチアベンダゾールも発がん性物質である。
皮に塗布するわけだが、体に影響がないとは言えない。
翌年も、国産グレープフルーツの食味はそこまで上がらなかった。
ところが、2019年。
昨年から、かなり美味しくなってきたのだ。
糖度はあまり変わらないのだが、酸味が穏やかになり、食味が上がった。
「木が大きくなってきたからね。」と渥美さんが言う。
例の苦み成分「ナリンギン」は、脂肪酸を燃やす作用もある。
国産グレープフルーツの実力をぜひ試してほしい。
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ジュースもある。
■国産グレープフルーツジュース 180ml 静岡県産 1本 432円(税込)
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