青森県の津軽地方では、古くから、家庭で”もやし”を作っていたらしい。
収穫した大豆を暗がりにおいて発芽したもやしを自家需要で消費していた。
そんなもやしに着目したのが、関東から青森に入植し新規就農した山田さんだったのは、ちょっと興味深い。
農業従事者として、夏も涼しい沖揚平で育てることのできるレタスやキャベツなどは、とても魅力的だ。
だが一方で、課題となるのは雪に閉ざされた冬の収入源。
特に、会社として運営していく上で、周年スタッフさんを雇用するとなると、冬でも仕事がなくてはいけない。
そこで、伝統のもやしを”復活”しようと決めたのだ。
ただ、家庭レベルであれば、失敗したって良い。
事業として成り立たせるためには、継続的に出荷ができなくてはならない。
雪を掘り起こし、簡易のハウスを建ててムロにし、プランタに土を盛って、大豆を置く。
水は、少し掘れば、湧いてくる。
以前は10度くらいの冷泉に近いものだったが、一度ハウスが風に飛ばされてしまい、建て直した後に掘った水は20度あり、まさしく厳寒期の冬のオアシス。
失敗もしながら、今は安定して栽培できている。
一般のもやしの3倍くらいの長さ。
販売していて、最も聞かれるのが、調理方法。
長いと言っても、もやしなので、調理方法は、基本的には変わらない。
炒めたり、湯がいたりして食べる。
根っこは切っても切らなくても良い。
何度か試してみたところ、炒めると、水分が出て細くなってしまうので、蒸したり、湯がくほうが良さそうだ。
青森では、ラーメンの具や、鍋物にするようだ。
過程で気軽に楽しめるのは、ちょうどよい長さにして、お味噌汁に入れるのがウマい。
けっこう長い時間煮込んでもシャキシャキ感が失われず、美味しい。
豆の部分は言わずもがな、根っこだって美味しい。
そういえば、この豆も、特徴がある。