去る日曜日は、佐賀嬉野から太田さんがいらして、銀座店で店頭販売してくださった。
品種×産地×育て方×収穫時期×製造方法(揉捻、発酵、焙煎など)×ブレンド。
お茶の品質を構成する要素は多種多様だ。
太田さんの畑でも10品種の茶葉があり、それぞれをブレンドして、りょくけんの煎茶も成り立っている。
だから、りょくけんでも、煎茶については上と特上の2ランクで販売している。
ごくごく簡単に言えば、上煎茶も特上煎茶も4種類の茶葉をブレンドしており、特上煎茶には、かぶせ茶と言って、収穫前に畑を被覆してカテキンの生成を抑えてうまみや甘みを強くした茶葉をブレンドしている。
そのため、甘みは、特上煎茶のほうが強い。
でも、最後の詰めは、やっぱり、淹れ方なのではないか、と思い、太田さんがどのように淹れてくださるのか、とても興味があった。
私の気づきは二つ。
一つは、お湯の温度。
沸騰させたお湯を、私が用意したガラスの湯飲みに移し、両手で触って、温度を確認し、ある程度冷めてから茶葉に注いでいた。
後から伺ったところ、温度は90度が良いそうだ。
もう一つは、茶葉の取り出し時間。
私なんぞいつまでも、茶葉を入れっぱなしだが、太田さんはスマホを取り出し、きちんと時間を測っていた。
その時間は5分くらい。
時間が来たら、さっと茶葉の入った茶こしを取り除いた。
「渋みが出るんです。それも好みなんですが。ちなみに、あともう2煎くらいは入れられますよ。」
「なるほど。」
太田さんが淹れてくださった特上煎茶。 |
そのあとは、丁寧にお客様に試飲をお勧めし、都度、ご紹介。
特上煎茶や上煎茶、紅茶、しょうが紅茶、粉末茶などなど。
2時間半の滞在時間でいつもの10倍の販売量だったのだから、やっぱり、飲んでいただいて、その実力を知っていただくのは強い。
「すみません、短い時間しかいられなくて。」
「いえいえ。」
どこまでも謙虚な太田さん。
スタッフさんの質問にも丁寧に答えてくださり、その人柄が、このお茶につながるのを理解してくれたはずだ。
品種×産地×育て方×収穫時期×製造方法(揉捻、発酵、焙煎など)×ブレンド。
そして、やっぱり、”人”なんだって思う。