七草は、正しくは”七種”と書くようである。
お正月のぜいたくな食事から、体をリセットするために生まれた風習で、消化に良いおかゆに、七つの草を刻んで食べる。
なずな、すずな、すずしろ、せり、ごぎょう、はこべら、ほとけのざ。
七つの葉を刻んでごはんと一緒に煮込んでおかゆにしても良いし、おかゆにしてから刻んだ葉を入れて余熱で火を通しても良いだろう。
ちなみに我が家では前者。
おかゆにしてから葉を入れると、見た目はきれいだが、こどもたちが食べない。
最初から煮込んで、クタクタにしたほうがやわらかく煮え、こどもたちには食べやすい。
関東では三浦半島や、静岡の三島が大産地だ。
ただ、三島の産地は、昨年の台風で土砂崩れがひどく、ビニールハウスが崩れたりして、いつもの量がない。
りょくけんでは、ここ数年、岐阜県の菱川さんの七草を扱っている。
七草の栽培は、まさに自然との戦いと、共生だ。
すずしろこと、だいこんについては、二十日大根に近いものを使う。
すずな、ことかぶは、大きくする品種となんら変わらないかぶを植える。
株間を狭くして小玉に育てるのだが、少し気温が高いと、大きくなってしまい、お客様は嬉しいが、生産側としては、パックに入りきらず、難儀する。
はこべら、ごぎょう、ほとけのざは、田んぼのへりから採集してきた株をビニールハウス内に移植し、増やす。
最終的に、数が足りなくなった時には、再び田んぼに行って、探し出してくるそうな。
食べるのが7日の朝、と決まっているので、昔なら、各家庭で、そこらへんに生えているものを物色すればよかったのだろうけれど、”栽培する、収穫する、パックに詰める、出荷する、販売する”などのサイクルに乗せようとすると、本当に大変らしい。
それこそ、年末年始返上で、日程に合わせるために夜なべする。
何気ない1パックだけれど、農家さんの努力と、年によっては苦労がにじみ出たようなパックになっている。
今年は、どうかな?