「ではやっぱり10月20日頃ですね!」
「今日が9日。そうやな、その頃になれば、良いじゃろう。」
「もっと早くても良いですよ~」
「いかん。みかんゆうもんは、緑じゃなくてオレンジ色に着色してなーいかん。少し落ち着いて、待っちょってくれい。」
「かしこまりました!」
極早生種は、酸抜けが早く、緑色の皮のままでも、あまり酸っぱくない。
ただ、糖度もあまりない。
それがどうだ、川田さんのオリジナルの極早生品種”太陽のしずく”は、すでに糖度が13度を超えている。
嬉しくなった。
「ちなみに、例の、あの、愛媛果試第28号は、あの黄色の袋がかぶっている実のところですか?」
「おうよ。28号は、肌が弱いからの、袋をかぶせて、傷や病気になるのを防いじょる。」
「なるほど。」
「見に行きたいか?」
「はい!ぜひ。でもモノラックで行けますか?」
「大丈夫。」
奥様と別れたほうに再度、モノラックで戻る。
藪を抜けると、左=海側に、愛媛果試第28号があった。
黄色の袋を少し剥いて、中を覗くと、まだまだ青々としている。
「あ。そっか、まだ向こう2か月以上ありますもんね。まだ緑ですね。」
「当り前じゃぁー。」と川田さん。
入ってきたところまで再びモノラックに乗って戻った。
「見てきたか~?」
待ってくださっていた奥様が声をかけてくださった。
ありがたい話である。
八幡浜港から見た日の丸 向灘(むかいなだ) |
そこからまた3~40分かけて、八幡浜港に向かい、海鮮丼をごちそうになり、川田さんと12時前に別れた。
どーや食堂特製の特上海鮮丼 |
鯛や、おそらくひらめなど、直径30㎝ほどの巨大なお椀に、めいっぱいご飯とお刺身がのった、かなりびっくりの海鮮丼だった。
食べ終わった後の川田さんの一言。
「魚好きに悪い奴はおらん。」