「潰瘍病が出るんよ。」
実は、この潰瘍病がきっかけで金光さんには出会った。
レインボーレッドを見る金光さんご夫妻。 |
4年前になる。
それまでお願いしていた愛媛のキウイ農家さんから「潰瘍病で、木が全部やられてしもうた。もう全部、伐採や。」
潰瘍病は、みかんでも発生する。
皮の表面にかさぶたみたいなものができる。
潰瘍病(こちらの写真は、他の産地で撮影。金光さんは見つけ次第、摘果している) |
キウイにとっては致命傷で、潰瘍病ウィルスに感染すると、木が枯れてしまい、伐採しても土壌には残ってしまう。
潰瘍病にかかっている二本の木。 |
緑のヘイワードキウイは、潰瘍病に感染しても表面に出づらく、収穫は継続できる。
ところが、レインボーレッドや黄肉のホートン16A(ゼスプリゴールド)はめっきり弱く木が枯れてしまうのだ。
西条市では、ヘイワード以外はほぼ全滅になってしまった。
金光さんは、レインボーレッドを大玉にするために、簡易のビニールハウスにしていたため、感染を免れた。
―はずだった。
春先に発症するらしいのだが、ハウス内でも55本ある木のうち、4本が感染してしまった。
ご夫妻でも、危機感を感じており、ほかの果樹への転換も考えているようだった。
「今年は、まあ2万玉あるから大丈夫やけど、どうやろうなあ、だんだん…。来年の春にまた分かる。」
「レインボーは、美味しいし、きれいやし、ええんやけどね。。。菌が結局残るし、うつるからなぁ…。」
感染した木は、はじっこではない。
園地の中央よりも少し奥にある木だった。
簡易とは言え、周りを囲んでいるのに、感染してしまい、これから広がることを予想しているので、お二人とも慎重だった。
「やっぱフルボ酸やな。」とあえて明るい声で奥さんが言った。
「・・・」だまる旦那さん。
「ヘイワードも見れますか?」
ハウスを出て、また軽トラに乗った。