ただ、ニュースの画像を見る限り、そうは思えない。
もう一度、成田さんからのメールを読んでみる。
「家族全員無事です。ご心配ありがとうございます。」
畑や家屋、直売所は被害にあっているかもしれない。
近くにあるヤマト運輸の営業所も復旧していない。
思い切って電話してみた。
「どうも~」と極めて明るい声の成田さん。
千曲川流域は、文字通り川の跡地なので、扇状地で、砂利交じりの土壌のため、水はけが良い。
そのため、流域は、その土地条件を生かした、果樹園が多い。
アップルラインと呼ばれ、りんご畑はもちろん、りんご狩りの農園が軒を連ねている。
私より少し年下の成田さんもその一人。
りんごだけでなく、ネクタリンや西洋梨、柿やシャインマスカットまで栽培している。
「畑やご自宅、直売所は大丈夫でしたか?」と伺うと
「いやあ~だめですね~直売所は片付け終わりましたが、今は自宅を片付けています。そうですねえ、2mは浸かってますかねえ。」
絶句した。
命は大丈夫だったけれど、それは大変な被害だ。
「水はもうひきましたけど、畑はまだ行けてなくて。ただ、下のほうの枝で、水に浸かった部分はダメですね。上のほうが大丈夫なんですが。」
何も言えない。
「でもまあ、まず自宅の片付けですねえ。」
と気丈な答えが返ってきた。
成田さん自身、地元の消防団に属しており、当日は、近所の方々に「逃げてください~」と促す側で、ご家族は全員、避難していたらしい。