ひとしきりカフェで話した後、外に出た。
「園地、いや牧場見させてもらってよいですか?」と切り出した。
まず案内されたのが、白いテント。
側面は開いており、中を見ることができる。
右手に見えるのが牛舎である白いテント。その右が新しい加工場。左側のおしゃれな建物がカフェ兼現加工場。 |
このテントは、冬の間の牛舎。
夏の間に刈り取った草を寝藁(ねわら)として奥に敷き詰め、牛たちは自由に動き回り、寝ているらしい。
手前が一段下がっており、そこにえさとしての干し草を置いておく。
これまた、自由に、好きな時に、牛は食べるらしい。
一般的には、牛舎の中には柵があり、自由に行き来はできない。
上部の白いテントは、カナダから輸入したものだそうで、光を通し、風を遮るので冬でも内部が温かいらしい。
「この屋根が良いんですよ。夏と同じ日の光が、冬の間も通るんです。」
丈夫に組まれたカナダ製の巨大テント。 |
風速40mにも耐えられる設計。
15年保証、というからには15年間は取り替えなくてもよい、ということか。
冬の間は、晴れた日はできるだけ、牛を外に出し、暖かい日はそのまま雪の上で寝るときもあるが、海から近く、風が強いので、牛もテントの中に好んで入っているらしい。
何しろ稚内から1時間ほど南に来ただけの場所。
冬の風の強い日=吹雪である。
牛もさすがに屋根や風を遮るテントの中のほうが良いだろう。
現在のテント内には、寝草だった草が高く積まれ、堆肥になっていた。
8mくらいあるだろう屋根の上まで積まれていたらしいが、発酵が進み、現在は2m弱くらい。
そのため、まったく匂わない。
「これをまた牧草地にまいてます。」
「循環させているんですね。すごいっすね。」
本当にそう思った。