新野を離れ、向かった先は隣接する天龍村。
車を走らせて10分もしないうちに、天龍村に入った。
ところが、だ。
やや傾斜が緩やかなところに民家がぽつぽつと見える。 |
平岡村と神原村が合併してできたという天龍村は、典型的な山村。
天竜川沿いの谷の斜面に、ちらほらと民家が見えるだけ。
あとは、山と天竜川のみ。
雨が多かったので、川の水位は非常に高く、濁っているせいか、やや白濁した緑色の川面と、森の緑がとてもきれいだった。
と、そのように思えたのは、最初だけ。
車を進めていくと、落石注意の看板と、実際の落石、土砂崩れもそこかしこに見え、工事の跡も見て取れる。
大きな木や木の枝も散乱しており、一筋縄ではいかぬ道のりになった。
私は方向音痴なので、車の運転は、ナビに頼りきりなのだが、山間のため、しばしばGPSが追い付かなくなり、ナビの画面上ではもはやどこを走っているのかよくわからなかった
。
川沿いの道のりなので、別れる道などないだろう、と思っていたが、これが意外と二手に分かれる道が多く、行っては戻り、行っては戻りを繰り返した。
やっぱり分からない。
観念して、生産者さんの携帯電話を鳴らした。
「そこまで来てるの?じゃあそこから15分そのまま走って、そこからぐるっと右に曲がって、」と道案内を受けた。
ぐるぐると山道をまわっていたせいで、自分の運転にも関わらず、気持ちが悪い。
車酔いしてしまったのだ。
やがて、目の前に見えてきた看板には、”通行止”という文字だった。