黄金桃。
黄金桃に初めて出会ったのは、昨年亡くなった高橋翁が、「これ食べてみろし。」と食べたときである。
”サンふじ”という言葉を聞いたことがあるだろうか?
この場合の”サン”は、太陽をイメージしており、無袋栽培すなわち袋をかけないで育てたふじりんごのことを意味する。
袋をかけることで、病害虫から守ることができるので、ある程度の時期まで、りんごは袋をかけて育てる。
果実が十分に大きくなると、袋を外し、日に当てていく。
赤い品種のりんごは、ここから、どんどん赤く染まっていく。
一方で、袋をかけたまま育てる赤りんごもあり、有袋ふじと言う。
サンふじよりも、長い時間をかけて袋の中で赤くなっていく。
やや甘みは落ちるが、色づきがうっすらと均一で、日持ちが良い。
同じバラ科の、桃でも同様のことを行う。
ある時期までは、袋をかけて育てて、十分な大きさになると、袋を外していく。
日を浴びた桃は、だんだんと赤みを増していき、よく見かける桃色の桃に仕上がっていく。
一方で、袋をかけたまま育てる方法もある。
これが有袋の桃である。
岡山の清水白桃が有名だ。
袋をかけたまま、日に当てずに育てることで、外皮が白く仕上がる。
山梨の黄金桃は、この有袋栽培で育て上げている。
うっすらと黄色みのあるきれいな外皮。
まんまるの美しい、うすい黄色の桃は、なんとなしに月を思わせる。
亡くなった高橋さんは、ちょっとした異端児だったから、黄金桃は無袋で育てていた。
糖度があり、外観は地の色がやや黄色だったが、普通の桃によく似ていた。
高橋さんの桃は、もう食べられないけれど、8月の下旬になると、長野の吉池さんの黄金桃が世に出る。
吉池さんは無袋栽培。これまた美味しい。
7月下旬~8月15日頃までは山梨の有袋の黄金桃。
それが終われば、長野の無袋の黄金桃が始まる。
ぜひ、両方を食べ比べて、楽しんで欲しい。
■名人の黄金桃(無袋)山梨県産 約1kg(3~4玉) 1944円(税込)
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