「実は、冬のかぼちゃを探しに来ているんですよね。」
日本で、冬のかぼちゃと言えば、ニュージーランド産かトンガ産が主である。
そこに割って入ったのが、沖縄だ。
南風原(はえばる)という糸満や南城に隣接した地域があり、11月あたりからトンネルをかけて、冬のかぼちゃを栽培している。
私がSKIP(=ユニクロとりょくけんが提携してやっていたお店の屋号)にいたとき、ちょうど店が閉まる直前に、少しだけ扱ったことがある。
とても小さくてやけに高いかぼちゃだったが、意外にほくほくして美味しかった記憶があった。
ところが、その後、出会う沖縄のかぼちゃは今一つ。
種が薄く、黄色も薄い、明らかに未熟のものが多かった。
「僕は、沖縄のかぼちゃは認めないね。」
吉田さんは言い切った。
「高いし、なんだか美味しくもないし、こんな小さいし、、、」
沖縄のかぼちゃは、その温暖な気候を生かし、夏が旬のものを、冬に栽培する。
他に国産のかぼちゃはないから、未熟でもなんでも、早く出荷すれば、市場原理で、高値が着く。
高くても美味しくない理由はそこにある。
「津嘉山(つかざん)とか、本当に一部のグループだけがちゃんとしたものを作ってる。」
「ツカザンですか?」
「そう。でも、ものすごい値段になる。」
そんな話をしながら、30分ほどすると、吉田さんのハウスに戻った。
「今日はありがとうございました!」と吉田さんと別れ、次の産地に向かった。