奥の台所では奥様がてきぱきと動いて、朝食を用意してくださっていた。
「え!?そんな、お構いなく、、、」
テーブルに向かい合って座り、2回目の朝食をご馳走になった。
今日2回目です!とはいえる由もない。
ここに書くことすら憚れる。
生三さんにしてみれば、朝が早かったから、ろくに食べていないだろう、というお気遣いだ。
そして、とても美味しくいただいた。
「ところで、持ってきてもらったトマトジュース。あれは旨いな。うちでもそれなりに良いものを飲んでいるつもりだったが、本当に美味しい。」
とまた褒められた。
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生三さんの育てた盆栽。 |
「虎雄が見込んだ方だ。きっちりしたものを送るから。しっかり儲けるように。」と握手。
石垣のところから、車が見えなくなるまで、見送ってくださった。
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盆栽2 |
生三さんのご自宅から、空港までは、車で5分ほど。
9時半の便、なんて思っていたが、とんだ記憶違いで、11時半出発の飛行機だった。
もう少し寝られたし、誠三さんや奥様には悪いことをしてしまった。
2時間まだ時間はあったが、搭乗カウンターに向かい、チェックインを依頼。
「大森と申します。電話番号は…」
「大森様ですね。ご予約は、、、ありますね。あっ。少々お待ちください。」
にこやかだったグランドアテンダントの方の表情が次第に怪訝になる。
「確かに予約はあるんですが、大森様、すみません、これ、昨日のご予約です。」
「え!?」