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産地情報 社長日記

名古さん。

“徳之島”に初めて興味を持ったのは、テレビのニュースだった。
沖縄の普天間基地の移設先の候補として、徳之島の様子が盛んに放映されたのである。
そのたびに背景に映る、赤土の土壌に魅かれた。

「あの土壌であれば、美味しいじゃがいもが取れるだろう。」と、当時の上司とも意気投合した。

早速その気になって、調べて、電話をかけては断れた。
その中で「あの人に相談して見ては?」とアドバイス頂き、ようやくたどり着いたのが、名古(なご)さんだった。

何やら忙しそうではあるけれど、とても親切に電話で対応してくださり、知り合いの農家さんの作物を次々とそろえてくださり、しかも品質も良かった。

しかし、徳之島は遠い。

お取引を始めて、8年ほど経ったのに、まだ一度も訪ねたことがなかった。
名古さんが東京に上京したときも、私のスケジュールが合わず、会えずじまいだった。

それが行けなかったのか、ここのところ、急激にお取引の量が減り、なかなか我々が欲するものが手に入らなくなってしまった。

ひとつには台風の影響もある。

実は、徳之島では、12月にかぼちゃが収穫できる。
ところが、9月の台風で、大打撃を受け、12月収穫のかぼちゃが取れない年が続いてしまった。
今期も然り。

何年か続いてしまえば、農家さんのモチベーションも下がってしまう。

名古さんによると、ここ数年で、作る人が一気に減ってしまったらしい。

それでも、直接赴いて、こうして「欲しい!」という人がいることを訴えると、今期はだめだったとしても、最悪、来年にはつながる。
そう思って、空港に降り立った。

いつもならば、レンタカーを借りて島中めぐるのだが、事前に名古さんと話したら、空港まで迎えに来てくださり、一日ご案内してくださるとのこと。

有り難い。

空港の中をきょろきょろと探したが、定刻よりも早い時間帯だったので、名古さんの姿はなく、しばらく待つことにした。