りょくけんでは、ここ、河宇田湧水群で水を汲んだ後、谷を隔てた別の山の中にある工場で殺菌し、ボトリングしている。
実際に、車を走らせてみたが、舗装こそされているが、くねくねと曲がった道を、1時間ほどかかった。
風光明媚で、山々の景色が美しかったので、まったく苦痛ではなかったけれど。
少し上った後、右手に道を曲がり、下がっていく途中に、工場があった。
「え。こんなところに???」
実は、この工場の敷地内からも、優れた水が湧き出しており、その水をボトリングしているため、こんな山の中にあるのだそうだ。
河宇田湧水の水は、長らく酒造に使われていたが、酒造メーカーが廃業し、今のような形になった。
大手飲料メーカーの某S社も、阿蘇山に採水地を変更する前は、河宇田湧水を使用していたのだとか。
ミネラルが豊富で、硬度68という、軟水ぎりぎりの度数。
限りなく硬水に近いミネラル分を含むけれど、軟水なので、われわれ日本人にとっても、クセがなくすっきりと飲みやすい。
メタケイ酸というコラーゲンを生成するのを助ける成分も含まれており、美肌効果も期待できるのかもしれない。
実は、このメタケイ酸。
温泉か真水を分ける指標となる成分の一つ。
1リットルあたり76㎎含まれているので、温泉の基準を満たしている。
周辺の方の努力や水質、湧水量などが、総合的に判断され、環境省が認定する名水百選の一つに選ばれている。
また、産業医学大学は、この水を、”九州第一位”の水に選んでいる。
それだけ優れた品質の水なのに、竹田市内ではボトリングの施設がなく、ひとつ向こうの山の中でボトリングを行っているのは、なんだか不自然だ。
何やらわけがありそう。
採水や運搬をお願いしている、現地の橋本氏に聞いた。