静岡の、奥深い山の中に、有東木(うとうぎ)という場所がある。
おおよそすべての方の名前が、白鳥さん、という集落。
あまり知られていないことだが、わさび栽培発祥地である。
長野や、同じ静岡でも伊豆の天城などが、わさびの産地として有名だが、栽培技術が確立されたのは、有東木である。
落葉樹の落ち葉が豊かなため、その腐葉土からの栄養分が水に溶け込み、清流となって流れる場所だ。
霧も深い。
そういえば、ここには、永田照喜治さんに連れてきてもらった。
「こういうサメ肌で、おろすのが一番おいしい。」とおろしたてのわさびを口にすると、頭を突き抜けるようなツーンとした辛味の後、不思議と甘みが余韻として残った。
「あまい!」というと、生産者の白鳥さんも、「そうでしょう。有東木のわさびは、甘いんですよ。」と嬉しそうに言ったのを覚えている。
わさびの旬は、冬。
寒さにあたって、甘みを増す。
「夏が一番売れるんですけどね。このわさびの生長点、わかりますか?この詰まったところが、冬の間に成長したところ。だからやっぱり味も濃いんです。」
りょくけんでは、年末年始のみ取り扱わせていただいている。
年々、人気が出てきた。
このきりりとした風味と甘さをぜひ多くの人に味わってほしい。
■わさび 静岡県産 大 3240円(税込)