2月ごろからふじりんごの蜜は消えていく、と書いた。
糖が増えるので、より甘く、美味しくなる、とも書いた。
ただ、世間一般では、そうは思わない方が多いのではないだろうか。
一つには、果肉の硬さ、食感の問題がある。
時が経つにつれ、りんごの果肉は、もさもさしてくる。
“粉質化”とも言う。
この食感。
傷んでいるわけではないのだけれど、本当に嫌われる。
もう一つは、最初から蜜が入ってなかった未熟のふじりんごが出回るためだ。
ふじりんごは、おおよそ11月末には収穫を終える。
そのころに収穫したものは、熟度も十分でおおよそ、どのふじも美味しい。
ところが、貯蔵性が悪い。
熟度が高いりんごは、だめになってしまうのも早い。
そこで、2月から3月に出回り始めるふじは、もともと、蜜が入っていない、未熟なものを出荷するのだ。
だから、全盛期の味よりも劣ってしまう。
日持ちが良いくだものであっても、やっぱり旬はあるものなのだ。
ところがー。