「もう老木で、限界だったんですよ。」
フジが始まる前に出荷が始まる、とてもよい中早生の赤い蜜入りりんごだったのだが。
りんごの畑の一番南西の端。
そこの一角には、見事に二本仕立てになった北斗の木が、丸裸に枝を落とされ、無残の姿をさらしていた。
まだ、お店には北斗があって、売っているのに、その親だった木は、、、
「あらあ。。。」
「改植して、フジかシナノスイートにします。」
「そうですか、、、」
農家の判断は重い。
木を切る、というのはそれ相応の理由があるものだ。
病気がちで、もう老木で毎年、品質が落ちてきてしまっていたと言う。
「北斗は若木だと良いんですけどね。」
と奈良岡さん。
それでも、残念がっている大森を見て、
「また植えましょうか?」と言ってくださった。
北斗は、作る人がどんどんいなくなっている。
やっぱりそういう品種のりんごなのかもしれない。
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無残に切り落とされた北斗の枝。 |
畑で、赤い実が残っていたので、これは何ですか?と聞くと
「美丘(みおか)」という答えが返ってきた。
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美丘(みおか)。 |
あまり聞いたことのないりんごだ。
「ジューシーなんだけど、ちょっと水っぽくて、あんまり美味しくない。けど食べてみて。」とひとつふたつお土産にいただいてしまった。
畑を後にして、事務所に向かった。
事務所では、「これ。これちょっと新しい品種なんだげど。」とこれまた赤い実のりんごを渡された。
収穫したばかりの名月や青林、美丘、新品種。
東京に帰って早く食べてみたい、と思った。