貫見さんからいただいたのは、乾燥えのきからつくった創意工夫あふれる商品だった。
「えのきを生で、生産できただけ一年中販売するのには限界がある。」
40年以上、キノコの生産に携わってきた人の言葉には重みがある。
「えのきを乾燥させると、重さは1/10になる。でも栄養価は数十倍に凝縮する。」
貫見さんは、乾燥えのきの、全国シェア6割を占めている。
当然、生産キャパも全国有数。
◎えのきスープ
◎えのきの佃煮
◎えのきチップス
乾燥えのきを原料にした、上記の三つは、とっても興味深い。
「食べてみますか?」と促され、佃煮もチップスもいただいた。
佃煮は、まるでお肉のような食感。
みりんや醤油をベースに、フレーバーも4つ。
おそらく、本当はもっとたくさん試作の味があったはずだ。
「みりんにも、みりん風があったり。醤油も、いろんな添加物が入っていたり。そういうのは全部、やめました。いろいろ勉強させてもらいましたわ。」
といって笑う貫見さん。
佃煮は、ゴマ、シソ、いわし、しょうが。
「こっちも食べてみてください。」
えのきチップスも美味しい。
お味は、塩、バジル、チリの3種類。
ポテトチップスのような、そうでないような。
ビールなどにはもってこいのおつまみだ。
そういえば、事務所の机の上に”ヒット商品のヒント”みたいな書籍が並んでいたっけ。
「貫見さん、楽しそうですね。そのうち、きのこランドとか作っちゃいそうです。」
「いやいや、そこまでは…。」と笑う。
ただ、娘さんが精力的に手伝ってくれているようで、販売も企画も任せている模様。
「娘さんはいらっしゃるんですか?」と聞くと
「いや、ここにはいない。」
どうやら、鹿児島県内のスーパーを飛び回っているようだ。
娘さんの話をする貫見さんは、なんだかとても嬉しそう。
経営者としても、親としても、それは、とても嬉しいことなのだと思う。
たたき上げのきのこ屋さん。
いろいろ刺激をいただいた訪問だった。