ドアを開けると、えのき同様、棚に、所狭しとしめじが出たポットが敷き詰められている。
今度は、各棚に蛍光灯が設置され、わけへだてなく、しめじを照らしている。
「今度は蛍光灯なんですね。」
「そうだね。しめじは蛍光灯。」
120日! |
こころもち、気温も高い。
「少し気温も、えのきより高めですね。」
「そうだね。」と貫見さん。
出口の一番近くにあるしめじをみせてくださり、これが、収穫する大きさかな、と教えてくださった。
茶色が少し薄い。
「やっぱり少し茶色が薄いんですね。」
「そう、大きくすると茶色が薄くなるんだよね。ほら、こっち、これだと濃いでしょう。」
とまだ小さめのしめじを見せてくれ、「ホクトさんが収穫するのはこのサイズかな。」おおよそ、最初に見たしめじの半分くらいの大きさのものを示してくれた。
今度は棚の一番上にある、ネットの掛かったスペースから、ポットをだしてくれた。
光が当たらないように遮光しているのだ。
「これが植菌が済んだしめじ。えのきと違って暗くしておくことで、芽が出る。」
感心していると、分かりやすく、三段階くらいのしめじの状態を見せてくれた。
20日くらい |
40日 |
90日 |
「これが、菌を植えて20日、こっちが40日、これで90日、そして最初に見たあれが、120日。」
「120日?」
「そう、しめじは120日掛かる。4ヶ月掛かるんだ。」
「え?ちなみにえのきは?」
「えのきは55日。」
「へえ~それじゃあ、えのきのほうが効率がよいんですね。」
「…。」
黙る貫見さん。
「そうでもねえんだな。」
「へえ~どうしてですか?」
「えのきのほうが、部屋を移動したり、棚も移動するし、成長段階でやることが多いんだ。ほら、さっき見た紙みたいなものを巻くのもそう。割と大変なんだ。」
「なるほど。」
「しめじは、せいぜい、このネットの分からおろして別の段の棚に移動するくらいだから、楽なんだ。」
しめじのほうが期間は掛かるけれど、手間は掛からない、というワケだ。
また別の冷蔵室に入る。
しめじでいっぱいだった。
しばらく説明してくださった後、
「あれなんかダメだな…。おかしいゾ」言って、と外に飛び出して行った。
どうやら、気温調整や湿度がおかしかったようで、違和感を感じて、電気制御のパネルを見に行っていたようだ。
「やっぱりおかしい。後で部屋を移動しよう。」
「あ。忙しくなりそうですね。。。」
特段、何を見たわけでもないけれど、そこの空間にいただけで、異常を察知した。
「何か違和感を感じたのは、どうやって分かったんですか?」と聞くと
至極まじめな顔をして
「感覚。」
40年やってきたキノコ栽培だ。
染み付いたものがあるのだろう。
さすがだな、と思った。
「じゃあ、そろそろお暇しますね。」
「あ、お土産を差し上げますよ。」
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