何度も書いているが、私はマンゴーが好きである。
そのため、日本で人気のあるアップルマンゴーこと”アーウィン”には飽き足らず、世界一と言われるインドの”アルフォンソマンゴー”を食べるのが、けっこう夢だったりする。
マンゴーの原生地であるインドにはかなり多くの品種のマンゴーが栽培されており、マハシュトラ州テーブガル産のアルフォンソが世界一の評価を受けている。
インドから日本への輸入は害虫の問題で禁止だったが、検疫を通ることで、12年ほど前に解禁になった。
ところが、皮の薄いアルフォンソは、輸入業者さんたちが、何度も輸入に挑戦するも、失敗してしまう。
繊細で、皮が薄く、日本につく頃には黒く変色して、売り物にならないのだそうだ。
ならば、私のような変わり者が、日本国内で栽培しているのではないか?
そう考えて、探しまくった先が、鍵山さんの畑だった。
場所は、鹿児島の指宿(いぶすき)市。
指宿の中心からさらに南に行った山川(やまがわ)という場所だった。
もうすぐ10月だと言うのに、ハウスを出て外に出ると、せみの声が聞こえる。
「まだセミの声が聞こえますね…!」
そういうと、鍵山さんも苦笑しながら、
「そうですね、セミの声。」とつぶやいた。
栽培棟のハウスに向かうと、やしの木も立派に立っていて、本当に南国情緒があふれている。
「今日はこれでも寒いんで、ハウスの横を締めてるんです。」
ガラスハウスの中に入ると、5度ほど気温が高い。
早速、大きな鉢の中にマンゴーがあった。
実もなっている。
「ベイリーズマーベル!?」
「いや、これはチョークアナン。」
「チョークアナン!タイのやつですね。濃厚で、美味しいですよね。」
「ちょっとクセが強いんですけど、美味しいですね。」
さらに進むと、少しひょろ長く、緑から黄色、頭頂部が赤く染まったマンゴーがある。
パルマ― |
「これはパルマーですね。」と鍵山さん。
※昨年、食べたレポートはこちら↓
https://ryokuken.co.jp/2017/09/92.html
https://ryokuken.co.jp/2017/09/93.html
さらに奥に進むと、他の木より明らかにたわわになっているものがあった。
「これがキーツです。」
キーツは晩生のマンゴーで、緑色の果皮に、濃い橙色の果肉を持つ、大型のマンゴーで、2kgを超えるようなものも出る。
マンゴーを調べていくと、アーウィンよりもずっと高い評価を受けているのだけれど、日本で栽培されたキーツは、私が食べた限り、いまひとつ。
販売にも何度か挑戦しているが、店頭では緑色の果皮は敬遠され、ほとんど売れない。
そして、2kgを超える巨大なマンゴーは、お値段も巨大で、1玉1万円くらいしてしまう。
以前扱わせていただいたキーツマンゴー。 |
なかなか販売者泣かせの品種なのだ。
だが、鍵山さんが見せてくれたキーツマンゴーは、なんだか少し違う。
果皮のベースの色は半分以上、黄色。
緑色はお尻のほうに少し残るだけ。
頭頂部はうっすらと赤が掛かっている。
大きさも、程よい。
アーウィンと同じくらいの600gサイズだ。
「これ、キーツですか?」