翌朝。
静岡から一報が入った。
「ぽろたん栗ですが、台風21号でほとんど落ちてしまいました。」
昨年2017年9月度の、通販の売上ナンバーワンを調べたら、栗のぽろたんだった。
すっかり調子にのって、2018年9月の通販カタログのトップページに掲載した。
昨年は、「来年は木も大きくなり、もっと増えると思いますので、よろしくお願いします。」という言質をいただいていたが、直前の連絡で一転。
「今年は天候不順で、不作だあ。」という一ヶ月前の情報から、悪化してしまった。
自然には逆らえない、とはいえ・・・
さらに電話が鳴った。
一昨日、つながらなかった北海道新十津川町の浅川さんだった。
毎年、大人気のかぼちゃ”ダークホース”を作っている。
「だめだなあ、今年は。台風も地震も被害はなかったし、昨晩、電気も復旧したけれど、かぼちゃはダメだ。」
例年の半分以下しか、とれなかった、とのこと。
9時、事務所に出勤する前に、どんどんとテンションが下がってしまった。
少し気になる論説を目にした。
「原発を再稼動してさえいれば、北海道全戸が停電と言う惨劇は生まれなかった。」
違和感があった。
北海道の泊(とまり)原発は2012年以来、稼動が停止している。
核燃料は抜き取られ、冷却施設で冷やされていると言う。
今回の地震で、電力供給が止まったところ、すんでのところで、自家発電が間に合って冷却が継続された、と報道があった。
(現地は震度2だったそうで、「おいおい」と思うし、どこまで情報が正確か、本当のところは分からないけれど。)
福島のように原発事故がないからこそ、こうして復旧が進んでいるのだと思うのだが。
どんなに遅くても、数ヶ月で、電気は復旧するはずだ。
もし仮に、放射性物質が漏れていたら、と考えると、本当に恐ろしい。
全戸停電は惨劇に違いないが、どちらが深刻かは、明白なはずだ。
ちなみに、全戸停電の原因である苫東厚真(とまとうあつま)火力発電所への大きな依存について、北海道電力が気づいていなかったわけではない。
いや、むしろ、気づいていて、対策を練っていた。
最新鋭の高効率ガス発電所に着工し、2019年2月に一号機が完成予定だった。
http://www.hepco.co.jp/energy/fire_power/ishikari_ps/necessity.html
(北海道電力のサイトより)
あわせて、本州からの送電を手厚くするための工事も始まっており、こちらも2019年3月に完成予定だったという。
http://www.hepco.co.jp/energy/distribution_eq/north_reinforcement.html
(北海道電力のサイトより)
たらればを言えばキリがないのだけれど…。