インカのめざめというじゃがいも品種がある。
小粒で、収穫量が上がらず、しかも収穫したそばから芽が出るほど休眠性が低く、農家泣かせのじゃがいもだ。
実際、一般的な男爵の収穫量の1/10ほどしか収穫できない。
しかも、芽にはソラニンが含まれ、腹痛を起こすし、消費者は”芽が出る=古いもの”という印象を持つから、厄介だ。
だが、時として、そんなデメリットを破る時がある。
食味だ。
小さいけれど、一口食べれば、どこか栗のようで、どこかさつまいものような、驚きの食味があるのだ。
北海道の育種関係者が、じゃがいもの原生地である南米アンデスから特別なじゃがいもを日本に持ち込んだ。
現地でも、祭典など特別な時にだけ食べられるじゃがいもだった。
日本の気候でも栽培できるように改良されたのが、この、”インカのめざめ”。
あまりの収穫量の少なさに、栽培を断念した農家は数知れず。
それでも、その美味しさに感銘を受けたレストランや消費者のリクエストを受け、栽培を継続する農家が出た。
現在では、苗や種芋が手に入らない程の人気があり、確固たる地位を築いた。
りょくけん銀座店でも販売しているが、おおよそ他の、美味しいじゃがいもよりも、やはり黙っていても売れていく。
”美味しい”は困難にも勝つ。
黄色の果肉が食欲をそそる。 |
■インカのめざめ 静岡県産 約400g 432円(税込)
https://www.shop-ryokuken.com/SHOP/36240.html