夏野菜のアーリオオーリオが人気だ。
毎年、大人気のスイートコーンサラダと並んで、とても調子が良い。
店長のアイディアで、色とりどりにはせず、緑野菜だけで、”アーリオオーリオ化”した。
アーリオオーリオは、イタリア語で、にんにく油の意味。
にんにくの香り付けをした油で味をつけるだけの、シンプルな料理だが、素材の美味しさがストレートに出る。
りょくけんでは、冬のブロッコリーで作るのが定番となっているが、夏はあまりやっていなかった。
万願寺唐辛子や、ピーマン、ズッキーニ、オクラ、ささげインゲン。
いくつかの緑野菜を、思い切って集めた。
なぜ、緑野菜でこれまでやってこなかったか?
それは退色が怖いからである。
緑の野菜は、作りたてはきれいなのだけれど、時間が経つにつれて、光にやられて、色落ちする。
蒸し枝豆や、前述のブロッコリーアーリオオーリオ、バーニャカウダなどに入っているアスパラガス。
すべて色落ちして、茶色っぽくなってしまう。
これでは食欲がわかない。
よく、ゆでてから、すぐに冷水に浸すと変わらない「色止め」を行えばよい、とアドバイスを言われるが、りょくけんでは、火を通してから、ブラストチラーという最新機器で、一気に品温を落とすので、”色止め”については、すでに実施済みなのだ。
大手では、添加物を使う。
グリーンストップとかスーパーグリーンとか。
そんな名称の食品添加物が存在する。
ケーキに使うナパージュのようなもので、少しオイリーな透明な液体だ。
りょくけんのデリカは、食品添加物を使わないから、この選択肢も無い。
だから、いつも困る。
ところが、実際にやってみると、なぜか、夏野菜のアーリオオーリオの緑野菜たちは、色落ちがしない。
何でも実践してみるものである。
最初は、油のコーティングのおかげかと思っていたが、他のお惣菜は、油をまとっていても、色落ちする。
原因は、良く分からない。
仮説としては、オクラだ。
オクラは、りょくけんの夏野菜の代表的商材なので、ぜひ、惣菜で打ち出してほしいと、13年間言い続けてきたが、退色する、という理由で、ほとんど使われてこなかった。
だが、このオクラのネバネバと油がうまく絡み合って、惣菜をコーティングして、保護しているのではないか?と思うのだ。
なぜなら、オクラだけの料理は、退色する。
オイルとネバネバがうまく作用しているのではないか、と思っている。
検証する予定もあまりないが、よいことを発見した気がする。