6月は、少し楽しみにしていることがある。
松栄会という集まりがある。
世間的な、一般的な知名度は、まったくないと思う。
松屋銀座および松屋浅草に出店するテナントで、共存共栄の精神で松屋に貢献してきた会社だけが、入会している。
りょくけんは、松屋銀座が第一号店であること、10年前は、お店が絶好調で、食品部の中で1位か2位の売り上げだったこともあり、入会を承認された。
当時、私はまだ代表でなかったが、代理で出席することも多かった。
2014年に代表になってからは毎年、参加している。
通算で8回目の出席になる。
会場の松屋サロン船堀。いったい何名の方が従事していたのだろう?真ん中に、松栄会の青い旗がある。 |
三つの良いことがある。
一、株式会社 松屋の方向性が分かる。
二、株式会社 松屋の役員はもちろんのこと、他の会社の経営陣と面識を持つことができる。
三、贅沢なコース料理が食べられる。
毎年、6月の金曜日に、船堀にある、松屋サロンという結婚式場で実施され、何がすごいかといえば、従事してくださるスタッフさんの数が半端ない。
列席者も200名くらい参加するのだが、100名くらいスタッフさんがいる。
前職から、人件費についてはうるさく言われてきたので、それはそれは、贅沢な空間に思えてしまう。
今年も、金曜日、と思っていたら、28日、木曜日の実施だった。
お店のシフトに入っていたので、あわてて調整。
社員さん及びスタッフさんに大迷惑をかけてしまった。
松屋銀座は、来年2019年11月3日に、150周年を迎える。
これは本当にすごい。
その記念すべき期に向けて、着々と準備を行っている。
よいな、と思うのは新店舗が入るだけでなく、従業員向けの施設も、改装が入っており、どんどんきれいになっている。
なかなかお金にはならない部分で、そこに資本を投じてくださるのは、大変にありがたいことだ。
松栄会の歴史は古く、今年で71回目。
大正14年に設立され、戦後、中断をはさみ、昭和23年に復活して、そこから毎年行われているという。
戦後の中断は、アメリカ進駐軍、つまりGHQに接収されていた時期があるためだ。
銀座三越と和光の場所は、「Times Square」つまり、アメリカ ニューヨークにある名所の名前が付けられていたようだ。
そんな松屋社長のご挨拶の後、MDの責任者である副店長さんから百貨店を取り巻く概況と、今後の方針が発表された。
足元の景気は良いようで、前期も増収増益。
前年比108%の売上高で、営業利益にいたっては140%増、というから、これまたすごい。
2020年の東京オリンピックに向けて、訪日外国人のお客様は増加の一途をたどる。
この需要を見込んで、銀座地区には、この1年以内に、ホテルが多数たつ。
これも追い風になるだろう。
一方で、地方の百貨店は、前年比マイナス23%だという。
三越伊勢丹グループの地方店舗の閉店も影響しているだろう。
都内は総合すると微増で、新宿地区と銀座地区しか前年は上回っていないから、予断を許さない状況だとは思った。
そして名刺配り。
”りょくけん”は率直に言って知名度がないので、積極的にアピールしなくてはならない。
同席した他会社の方と名刺交換した後、松屋の役員さんたちにご挨拶に行った。
「いいよ、もう。毎日見てますよ。」とか
「あれ、スーツじゃないですか。いつもと違うからちょっと分かりませんでしたよ。」とか。
松屋の役員さんたちは、名刺を注文した箱ごと持っているような方もいらっしゃる。
松屋銀座店のトップである店長さんと副店長さんは、今年、なじみの方から変わったので、初めてのご挨拶となった。
「はじめまして、りょくけん東京の大森です。」
「あら、りょくけんさん。私、りょくけんさんのお弁当のファンで!」
婦人服の部門ご出身だという新しい社長さんは、女性だ。
もしかするとすでに接客して、店頭でお会いしていたかもしれない。
松屋銀座本店の店長となると、株式会社松屋の中ではかなり偉く、役員のお一人である。
それにもかかわらず、丁寧に、一人ひとりとご挨拶されていた。
さ、次はご飯だ!
魚介をふんだんに使った前菜から白とうもろこしのスープ、うなぎとうにのミルフィーユ、牛フィレ肉・・・。
すべて美味しかった。
ただひとつ、メロンを除いて、、、(メロンの追熟具合を、こういう一日だけに合わせるのは、かなり難しいとは思う)
舌鼓を打った後、万歳三唱。
「さて、みなさんご歓談をお楽しみになられているかと思いますが、そろそろ、今日のサッカーも気になる時間になってまいりました。ここで、万歳三唱に移らせていただきたいと思います。」
万歳には、なんだか否定的なイメージもあるけれど、みんなで言うと、盛り上がる。
まずは、テナント側の団体である「松栄会」から「松屋」に対して、万歳三唱。
続いて松屋から松栄会の方に万歳三唱。
万歳の前に、松屋の屋号と松栄会の旗の意味にも触れられた。
「松屋の”松”の意味には、対岸の砂にも巻き込まれず、嵐にも負けず、冬の雪に降られても、青々としているところからつけた、と聞いております。世の中、山あり谷あり、ですが、それにも負けずにしっかりやっていきたいと思います。そして、旗。T.T.Mと書いてありますね。これは、松屋の共存共栄の精神、”お取引様とともにもうけよう”の意味であります。一緒にいるウサギの意味は良く分かりませんが、それでは、一緒になってしっかりもうけましょう。それでは、サッカーも勝てるように、さらに大きな声でお願いします。バンザーイ。」
バンザーイ
バンザーイ
締めは、三三七拍子。
「今日のサッカーが、少し欲張りすぎかもしれませんが、3-0で勝てるように、三回行います。よ~お!」
チャチャチャ、チャチャチャ、チャッチャッチャ ヨッ
チャチャチャ、チャチャチャ、チャッチャッチャ ヨッ
チャチャチャ、チャチャチャ、チャッチャッチャ ワ~
と大団円で終わった。
よもや、このときには、日本サッカーがああいった流れになるとは思わなかったが(批判ではないのだけれど)。
盛り上がった気持ちの中、携帯電話にメールがあった。
「松栄会終わったら、店によってください。」と厨房長から。
―事件だ。