それでも、ハウスの中にうっすら透けて見える、明らかに繁茂している木々の葉は、マンゴーだ。
突き進んでいくと、選果場の前で、休憩をとっている足立さんのご家族がいらした。
「ちょっと肥えたね。」
私を見るなり、足立さんが言う。
筋肉質で、日焼けして、体格の良い足立さんは、正直、ぜんぜん変わっていない。
むしろ、「13名で訪ねますますから。」と事前に知らせていたためか、無精ひげが整えられていて、すっきりした印象だ。
「そこのスペース、整備したんですね。」
「そうそう、車がおけるようにね。」
ここも、10年ぶりか、、、
そのくらいの期間があれば、変わるところがあるの至極当然だ。
「ちょっと分からなかったので、みんなを迎えに行って来ます。」
車に戻り、「合ってました!」と告げ、降車を促した。
永田次郎さんの車に乗っていた面々はすでに降車して、直売所で売っている柑橘を眺めていた。
無造作に袋詰めされたカラマンダリンと水晶文旦。
私どもでも販売しているが、銀座では販売できないような傷ありのものが、販売されていた。
「ここはどこで知り合ったんだい?」
photo by hijiki ishiduka |
ハウスの脇を歩きながら、次郎さんが私に問いかけた。
「Mさん。会社の自販機の業者さん。いちごもつくってる方。マンゴー探して、その生産者さんを探してたら、Mさんが『高校の先輩だ』って。」
「ああ、Mさんか。」
「はい、それでMさんに連れて来てもらいました。」
でも、たしか元を正せば、浜北のマンゴーを推奨してくれたのは次郎さんだ。
「宮崎の方を探すよりも、ずっと安く、地元で手に入れられるぞ。」と10数年前に言ってくれた。
それだけに、興味津々だったようで、先頭を切ってマンゴーのハウスの中に入った。
ハウスの中は、まさに、熱帯!
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